聖書の言葉
夫たちよ、妻を自分よりも弱いものだとわきまえて生活を共にし、命の恵みを共に受け継ぐ者として尊敬しなさい。
新約聖書 ペトロの手紙一 3章7節
川瀬弓弦によるメッセージ
川瀬:おはようございます。北神戸キリスト教会の川瀬です。
大西:おはようございます。滋賀摂理教会の大西です。
川瀬:「神に祝福された夫婦関係を目指して」というシリーズで今月はお話をしていますが、今日が3回目です。今朝はもう少し具体的な話しをしてみたいと思うのですが。
大西:牧師をしていると、いろんな人から相談を受けますよね。その中でも家庭についての相談がどの教会でも多いのではないかと思うのですが。それが今回のシリーズを始めるきっかけにもなったわけですが・・・。
ところで家庭について相談にくる方のほとんどは、女性ではないですか?
川瀬:確かにそうです。ですから今朝は、多くの女性が共通して悩んでいる一つのことを取り上げてみたいと思いまして・・・。実は私自身、妻から言われてショックを受けた一言があったのです。
大西:ショッキングなことと聞くと、ますます聞きたくなってきました。何て言われたのですか?
川瀬:「結婚してから、あなたって人は変わったわね。別人みたい」ってね。しばらく考えて込んでしまいました。私としては何も変ったつもりはないんですが、でも妻からしてみれば、激変したように感じたようです。
大西:具体的にどんなふうに変わったと言われたんですか?
川瀬:そうですね・・・。結婚してから、以前のようにデートに誘ってくれないとか、思いやりがなくなったとか・・・。それに以前は一生懸命、話を聞いてくれていたのに、今は面倒くさそうだし・・・と。
大西:平たく言えば結婚前ほど積極的・情熱的ではなくなったということですかね?
川瀬:大西先生もどうも経験者のようですね。
大西:私だって結婚前はもっと積極的だったと思いますよ。でも結婚して四六時中一緒にいるようになると、同じ部屋の中にいてもあんまり話をしなくなったんですよ。そうしたら「私たちって会話のない夫婦なのね」と、よく言われました。
川瀬:やっぱりどこの夫婦でも同じなんですね。
今は笑っていられますが、夫婦関係に与えるダメージは相当なもののようですよ。こういう態度の変化は、「もう私のことを愛してくれていない」というメッセージだと、妻は受け取るみたいです。
大西:うーん、それは笑っていられませんね。何が妻にそう思わせてしまうんでしょうか。もし妻が言うように夫が変ってしまうとすれば、その原因はどこにあると思いますか?
川瀬:ある本に「男は基本的に目標達成思考だ」と書いてありました。ハンターのように、男性は結婚する、という目的を達成するため、ありとあらゆる手を尽くすそうです。
大西:目標達成のためなら、時間も労力も惜しまずつぎ込むんですね。気の利いたレストランにデートに誘ったり、花束を贈ったり、話を合わせて盛り上げたり・・・ですね。
川瀬:振り返ってみれば、私も貧乏ながらそういう猛烈なアピールをした覚えたがあります。でも、めでたく結婚すると、目標達成!それ以上何もアピールする必要がなくなるので、急に無口になったり、気の利いたことをしなくなったりするようなんですね。
大西:なるほど。だから女性からしてみれば、この人は変ってしまった、と思うのですね。それじゃあ女性は結婚に何を期待しているのか、それも知る必要がありますね。
川瀬:本当は女性の生の声を聞けたら一番いいのですが、妻の言い分を代弁しておきますね。女性にとってみれば、結婚は幸せの始まりに過ぎないようなんですよ。結婚してやっと、幸せのスタートラインに立てたんです。そこからやっと、「これからどうやって幸せを完成させていこうか」と考えるのですね。
大西:夫が「幸せはもうつかんでしまった」と思っているのとは、大きなズレがありますね。
川瀬:そうなんですよ。このズレが夫婦関係を引き裂く大きな原因ではないかと思うんです。男性は結婚を手にいれたので、次の目標に向かって進んでいこうとするんですね。でもそれで妻の思いが置き去りにされていると考えると、悲しいですね。
大西:ペトロの手紙一3章7節に「夫たちよ、妻を自分よりも弱いものだとわきまえて生活を共にし、命の恵みを共に受け継ぐ者として尊敬しなさい」という御言葉がありますね。
まず「夫は妻が自分よりも弱いものだとわきまえる」ことが必要ですね。
川瀬:身体的、精神的に弱いということではなくて、敏感で繊細な心の持ち主であることをわきまえて、一歩も二歩も妻に譲る謙遜さを夫は身につけなさいということでしょうね。「ロマンスは結婚で終わったんだ」なんて男の理屈を押しつけないで、妻のロマンスに真剣に付き合っていくということは必要なことですね。
大西:誕生日や結婚記念日に、妻が喜びそうなプレゼントをあげるのもいいかもしれませんね。
川瀬:もちろんいつもとは違う特別なことをしてあげることもいいですが、普段から「愛しているよ」と言ってあげたり、落ち込んでいる時には「大丈夫だよ」と優しく声をかけてあげることも大切ですね。そうすることで、「ああ、やっぱり私は愛されている、大切にされているんだな」と感じるんだと思うのです。
大西:こういうふうに声をかけるのは、最初は照れくさいですね。でも、続けて言っていると、妻の様子が変わってきますよ。イエス様がへりくだって私たちの幸せのために仕えてくださってように、男としてのプライドを捨てて、妻の幸せに仕えていくことが本当に大切なのだと教えられます。
川瀬:夫婦の愛でも、本当の愛はイエス様から来るものなのですね。