試みの中へ

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聖書の言葉

イエスは起き上がって、風を叱り、湖に、「黙れ。静まれ」と言われた。すると、風はやみ、すっかり凪になった。

新約聖書 マルコによる福音書 4章39節

川瀬弓弦・エダによるメッセージ

今日歌っていただくのは、讃美歌358番の「こころみの世にあれど」(Be Thou My Vision)という英語の賛美です。その内の一節と四節の歌詞をお読みします。

<歌詞>

1試みの世にあれど、導きの光なる

主をあおぎ、雨の夜も たからかにほめ歌わん

4世の力せまれども、死に勝ちし主によれば、

やすらけき喜びはわが胸に満ちあふる。

Be thou my vision, O Lord of my heart,

Be all else but naught to me,save that thou art;

Be thou my best thoughtin the day and the night,

Both waking and sleeping,thy presence my light.

♪賛美

イエス・キリストはガリラヤ湖を前にして、弟子たちに「向こう岸へ行こう」と招かれました。弟子たちは乗り気ではなかったでしょう。弟子の何人かは漁師で、この湖は突然の嵐がやって来ることを知っていたからです。しかも、もう夕刻が迫っていました。真っ暗な湖の上では、先を見通すこともできません。そうなってしまえば、経験は何の役にもたちません。

信仰によって生きるとは、岸の見える安全な場所から離れて、イエス様の言葉に信頼して沖へと漕ぎ出すということです。誰でも何かあれば自分が頼れそうなものを、いつも自分の近くに置いておきたいと願うでしょう。例えばお金やキャリア、地位や名声などです。そうすることで安心するからです。ここなら安全だ分かっている所から、出来るだけ遠くに離れたくないと私たちは思います。試みや困難の嵐が吹き荒れたら、すぐにでも戻ってこれる所になるべくいたいと願います。しかし、イエス様はそういう見えるものに頼って生きるこれまでの生き方を越えて、信仰という沖へと漕ぎ出していくようにと私たちを招かれているのです。その向こうには神の国の広がりがあるからです。

信仰によって生きようとすると、必ず試練があります。しかし、そのような試みの嵐の中にあっても、私たちと共に旅路を歩んでくださるお方、イエス様が共におられることを覚えましょう。暗闇の世にあっても私たちを希望の光によって導き、死の恐れの中にあっても、死に打ち勝ったお方として私たちを守ってくださいます。

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