子どもの神なるイエスさま

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聖書の言葉

聞け、イスラエルよ。我らの神、主は唯一の主である。あなたは心を尽くし、魂を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい。今日わたしが命じるこれらの言葉を心に留め、子供たちに繰り返し教え、家に座っているときも道を歩くときも、寝ているときも起きているときも、これを語り聞かせなさい。

旧約聖書 申命記 6章4~9節

赤石めぐみによるメッセージ

考えてみますと、この「キリストへの時間」のメッセージ、大人向けのメッセージばかりです。宗教というものは、大人だけのためにあるのでしょうか。他の宗教はともかく、聖書の神さまは、大人だけにいろいろ教えて、子どもたちのことなど考えていらっしゃらないのでしょうか。

そんなことはありません。

出エジプト、という最大の救いの出来事を忘れないために「過越際」というお祭りが、今もあります。そのお祭りについて定められたとき、神さまはこうお命じになっています。「あなたたちの子供が『この儀式にはどういう意味があるのですか』と尋ねるときにはこう答えなさい。『…主がエジプト人を撃たれたとき、…我々の家を救われたのである』と。」自分たちが経験し、味わった神さまの救いについて、自分の心の中だけで感謝していればよい、というのではなくて、子どもたちにちゃんと答えて語り伝えよ、と神さまは命じておられます。

最初にお読みした言葉が記されている申命記にも、あなたが聞いた御言葉を子供たちに繰り返し教えよ、と命じられています。「家に座っているときも道を歩くときも、寝ているときも起きているときも」、それこそ四六時中語り聞かせなさい、と神さまはおっしゃっています。聖書は大人だけの書物ではないのですね。子どもたちにも聖書の言葉を聞く権利があるのです。

このように旧約聖書のはじめから、神さまは子どもたちのことを念頭に置いておられます。聖書が書かれた最初から、神さまの言葉を聞くように、神さまは子どもたちをも招いてくださっているのです。

ユダヤでは、もうほんとうに小さな赤ちゃんのときから御言葉に親しませることをしているそうです。たとえば、なめても大丈夫な素材の板に聖書の言葉がプリントされていて、それに蜂蜜を塗って赤ちゃんになめさせるそうです。「あなたの仰せ(神さまの言葉)を味わえば、わたしの口に蜜よりも甘い」という詩編の言葉を体験的に教えるためです。そして子どもたちは聖書を読むために字をならい、13歳の成人式までに、聖書をまるごと暗唱できるように、繰り返し読んで心に蓄えていくのです。これはただの暗記ではなくて、わがままで、「なぜ?なぜ?」を繰り返し、思ったことを配慮もなく口にするというような態度を示しやすい子どもたちを、御言葉によって「大人」にしていくための営みだそうです。大人たちもそのように御言葉を学んでいきつつある子どもたちにきちんと向き合い、問われたことに答え、教え導きます。

12歳のイエスさま、つまり、成人式を目前に控えた、まだ「子ども」と見なさされている年のイエスさまが、エルサレムの神殿にひとり紛れ込んで、ラビたちのあいだに座って話を聞いたり、質問したりしておられて、その賢い受け答えに大人たちが驚いていた、というエピソードがあります。イエスさまのご家族は、過越際を祝うために毎年エルサレムに旅をしていた、と書かれていますから、それこそイエスさまのご両親はこの過越際を祝う意味を子どもたちに教え、熱心な御言葉の教育を、ユダヤの習慣に従って成していたようだということがわかります。イエスさまの弟ヤコブは、「義人(正しい人)ヤコブ」と言われるほど有名な人でしたから、兄弟そろって御言葉を教えるような大人に育てたご両親の熱心は相当なものだっただろうと思います。

新約聖書でもイエスさまが「子供たちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである」とおっしゃっています。

また、5つのパンと2匹の魚で5000人を養ったというお話も聞いたことがおありなのではないかと思いますが、この5つのパンと2匹の魚をイエスさまに差し出したのは幼い少年でした。つまり、そういう幼い子たちもイエスさまの話を聞きに集まっていた、しかも、お弁当をもって、長時間イエスさまのもとでお話を聞くつもりで来ていたわけです。

こどもさんびかにこのような歌があります。

♪子どもの友はどなたどなた子どもの好きなイエスさまよ。

ホサナと歌えホサナと歌え子どもの好きなイエスさまを。

「ホサナ」は、神さまをほめたたえる言葉だと勘違いされていますが、「ホサナ」はヘブライ語で「私たちを救ってください」という意味です。子どもたちもイエスさまに向かって「ホサナ」「私たちを救ってください」と言ってもいいのですね。

「神さま、ぼくを・わたしを救ってください」と今、切実に祈っている子どもたちが大勢いると思われます。毎日のように、子どもが悲しい目に遭っている事件の記事を見ますから・・・。

子どもたち、近くに教会があったら、ぜひいらっしゃい!どこの教会でも必ず子どもたちのための日曜学校・教会学校があります。子どもたちも聖書の言葉を聞きに来ていいんです!イエスさまがみんなをどうやって救ってくださるのか、探しに来てください。

ずっとお子さんと向き合う生活にくたびれてしまった親御さん、教会にいらして、聖書の言葉による励ましをぜひ受けてください。え?子どもを連れて行ってもいいの?もちろんです!

大人だけでなく、小さい赤ちゃんでも、おしゃべりざかりのお年頃のお子さんでも、みんな、イエスさまに招かれています。イエスさまは子どもたちの神さまです。

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