アドベントの守り方

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聖書の言葉

エッサイの株からひとつの芽が萌えいで、その根からひとつの若枝が育ち・・・

旧約聖書 イザヤ書 11章1節

川瀬弓弦によるメッセージ

弓弦:おはようございます。恵泉教会の牧師の川瀬弓弦です。

エダ:おはようございます。妻の川瀬エダです。

弓弦:もうすぐクリスマスです。そこで今週と来週の2回に渡ってエダさんの故郷である、ウクライナの村のクリスマスについて話しを聞かせていただこうと思っています。よろしくお願いします。

エダ:よろしくお願いします。

弓弦:早速ですが、まずエダさんのことについて教えてください。

エダ:私は日本に来て8年になります。日本で3人の子どもを産みました。私はウクライナ出身ですが、ハンガリーの国境のすぐ近くにあるハンガリー人の小さな村で育ちました。私はハンガリー系ウクライナ人になります。

弓弦:村や教会のことついて少し教えてください。

エダ:私の村は2000人くらいの村で、ほとんどの人はハンガリー人です。カトリックと改革派の教会が半分ずつくらいで、ウクライナ人はウクライナ正教会に行っています。私が通っていた改革派教会は村で一番古い教会で、13世紀にカトリック教会として建てられた教会です。500年前の宗教改革の時に改革派教会となり、そのまま使われています。毎週日曜日になると教会から鐘の音が聞こえてきます。するとみんな教会へと集まり、礼拝が始ります。

弓弦:エダさんは日本の他にも、アメリカに留学していましたよね。村のクリスマスは日本やアメリカのクリスマスとずいぶん違っていると思いますが、どうですか?

エダ:そうですね。クリスマスは一年で一番特別な日ですので、村では40日前からクリスマスのための準備を始めます。

弓弦:アドベントのことですね。

エダ:ええ、アドベントです。

弓弦:日本語では「降誕節」とも呼びます。イエス様がお生まれになることを、心待ちにする時期です。

エダ:そうです。だからアドベントの時期になると、村の人はみんな、身も心も、そして家もクリスマスに向けて準備をします。

弓弦:どう準備するのですか?

エダ:まず松の木の枝であんだ、アドベントリースというのを作ります。そこに四本のローソクを立てて、毎週1本ずつ火をつけていきます。地域によって意味が違うようですが、私の村では信仰、希望、愛、喜びを表わしています。

弓弦:他にはどのように準備をしますか。

エダ:アドベントの時期に大切なことは、心を静めて悔い改める姿勢です。ですからちょっと前までは、アドベントの時期には結婚式やパーティーなどは禁止されていたんですよ。

弓弦:騒がしいことは禁止されていたんですね。

エダ:ええ。それにこの時期になると、どの家も大掃除もします。

弓弦:日本では年末に大掃除をしますが・・・。

エダ:そうやってクリスマスに向けて家を整え、綺麗にして、神様が心も浄めてくださることを願うのです。

弓弦:アドベントというのはクリスマスが来ることをワクワクしながら待つ、というな印象をずっと持っていましたから意外です。

エダ:クリスマスツリーに飾るオーナメント(飾り)の一つに、りんごがあるのを知っていますか?

弓弦:日本ではそれほど見かけませんが、ヨーロッパに行くと確かによく見ますね。あれはどんな意味があるのですか?

エダ:あれは実は、アダムとエバがエデンの園で食べてしまった禁断の実を表わしているのです。最初の人アダムは神様の命令を破って罪を犯してしまいました。そのためにエデンの園から追い出され、人は死ぬという悲しい結果になってしまったのです。リンゴにはその罪を忘れないように、という思いが込められています。クリスマスリースに立てる四本のローソクの内、最後の一本はピンク色ですが、それ以外は紫色です。この色も悔い改めを表わす色です。

弓弦:アドベントは悔い改めに深く結び付いているのですね。イエス様が人として生まれてくださったということを単純に喜び、待ち望むというのではなくて、なぜ神の子であるイエス様が一人の人として生まれなければならなかったのか、そのことも深く考えながら待つ。そうすると私たちの姿勢は、ワクワクするというよりも、自分の罪を見つめ直し悲しむという悔い改めの姿勢に自然となっていきますね。

エダ:そうです。私たちが神様に対して犯した罪を忘れてしまったら、本当の意味でクリスマスを喜ぶことはできないと思います。イエス様は一人の人として私たちの罪を赦すために、私たちの罪を背負ってくださるために生まれてくださいました。だからクリスマスは私たちにとって喜びの時となるのです。

弓弦:私たちを罪から解放するために、自由にするためにイエス様は来て下さった。そのことを改めて心に深く刻むアドベントの時としたいと思います。みなさんも教会や町でリンゴのオーナメントを見かけたら、是非もう一度ご自身の罪としっかりと向き合い、クリスマスの本当の意味をかみしめてくださればと思います。

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