神の摂理に信頼する

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聖書の言葉

「しかし、今は、わたしをここへ売ったことを悔やんだり、責め合ったりする必要はありません。命を救うために、神がわたしをあなたたちより先にお遣わしになったのです。」

旧約聖書 創世記 45章7節

保田広輝によるメッセージ

今日は旧約聖書の創世記37章~50章に登場するヨセフのお話をします。神様の摂理を信頼し続けた人です。摂理とは、「神の導き」や「前もって見る」という意味があります。つまり、世界や人生のあらゆることは、神様が計画して見通しておられ、神様が善きみ心をもって支配し、導いておられることを表しています。

父ヤコブと母ラケルとの間に生まれたヨセフは、父ヤコブが年をとってから生まれた子どもだけに特別に愛されていて、父ヤコブの有力な後継者候補であったため、年の離れた異母兄弟の兄たちから憎まれていました。兄たちの憎しみが頂点に達したのは、ヨセフが「兄さんたちの農作物が僕の農作物にひれ伏した」という夢を話した時でした。それ以後、兄たちは機会があればヨセフを殺してやろうと思うようになりました。

さて、ヨセフは家から遠く離れた場所で兄たちに殺されそうになるのですが、ちょうどそこにエジプトに向かうキャラバン隊が通りかかり、ヨセフはエジプトに奴隷として売られてしまいます。兄たちは、ヨセフから剥ぎ取った着物に動物の血を塗りつけて、父親にはヨセフは野獣に殺されたと、告げました。そして、ヨセフはエジプトで国王の衛兵隊の隊長に奴隷として買われました。最初は下働きでしたが、ヨセフは小さな仕事にも忠実であったので、大きな仕事を任せられるようになり、主人の食事以外の全てを管理するまでになりました。

ところが、ヨセフは主人の妻の誘惑を断ったことが原因で、王の囚人をつないでいる最も厳しい監獄に投獄されてしまいます。しかし、ヨセフは投獄されていた料理長と給仕長のそれぞれの夢を解き明かし、料理長の処刑と給仕長の釈放を見抜いたことがきっかけで、釈放された給仕長を通して王に知られるようになり、王の夢を解き明かすことになりました。王の見た夢は、エジプトで七年間の豊作の後、世界中に七年間のひどい飢饉が来ることを告げるものでした。王は、ヨセフの知恵に感心し、ヨセフを総理大臣に任命し、飢饉に備えさせました。

王が見た夢のとおり、飢饉が起こりました。まわりの国は飢饉で苦しみましたが、エジプトにはヨセフの働きによって、食糧が蓄えられており、食糧を求めてエジプトに来る人たちが絶えませんでした。その中にヨセフの兄たちもいました。ヨセフにはそれが兄たちであることがわかりましたが、兄たちには、エジプトの総理大臣がヨセフであることは知るよしもありません。ヨセフがエジプトに売られてから三十年近い年月が経っていますし、ヨセフはエジプト人の身なりをし、エジプトの言葉を話していたからです。

この時、弟のベニヤミンが一緒ではなかったので、ヨセフは兄たちが弟ベニヤミンを大切にしているかどうか心配でした。そこで、ヨセフはわざと「お前たちは外国からやって来たスパイだ」と言いがかりをつけました。「いいえ、違います」と兄弟たちは言います。「それなら、嘘ではないという証拠に、お前たちが話した末の弟を連れて、もう1度来い」とヨセフは命じました。兄たちは弟ベニヤミンを連れて、再びヨセフの前にやって来ました。ところが、ヨセフは「ベニヤミンがわたしの宝物を盗んだ」と、また言いがかりをつけて、ベニヤミンを奴隷にすると言い出しました。困った兄弟たちは「そんなことになったら父ヤコブが悲しみのあまり死んでしまいます。代わりに自分たちが奴隷になります」と必死で頼みました。兄たちの愛の心を見て、ヨセフはこらえきれなくなり、涙ながらに「私は弟のヨセフです。」と兄たちに告白するのです。

今日の聖書のみ言葉は、その時に語ったヨセフの言葉です。

「しかし、今は、わたしをここへ売ったことを悔やんだり、責め合ったりする必要はありません。命を救うために、神がわたしをあなたたちより先にお遣わしになったのです」

ここで、ヨセフは神様の摂理に関する重要な二つの視点を明らかにしています。人間的な視点では、ヨセフは兄たちに奴隷として売られてエジプトに来た。しかし、神様の摂理に立つなら、神様は一族の命を飢饉から救うために、兄たちよりも先にヨセフをエジプトに遣わされた。神様の摂理とは、現実がいかに厳しくとも自分には使命があって、苦難には必ず意味がある、神様は苦難や人の悪行さえも最後に益とされる、ということなのです。ヨセフは神様に信頼し続けたからこそ、そのような人生観を自分のものにできたのです。ヨセフが体験した世界観は、新約聖書では次のようにまとめられています。

ローマの信徒への手紙8章28節

「神を愛する者たち、つまり、御計画に従って召された者たちには、万事が益となるように共に働くということを、わたしたちは知っています」

私のことですが、不治の難病を抱えています。それが昔はコンプレックスでした。でも、神様の視点に立つならば全く違います。神様は、難病を含めたこの私を愛するために、私を創造してくださり、私の人生を計画してくださいました。だから、私が難病の人生を生きていくことで、神様のご計画が実現されていくのです。自分の苦しみだけを見るのではなくて、神様のご計画の実現という広い視点から自分の苦しみを捉えたら、生きる力が湧いてくるようになりました。私たちの人生は神様によって計画されていますし、神様は私たちの人生を初めから終わりまでご存知だからこそ、私たちは神様に信頼し続けることができるのだと思います。

それでは最後に「Still~静まって知れ~」という賛美をお聴きください。

【歌詞】

御翼の陰に隠し力ある御腕のなかに

逆巻く大海を越え主と共にはばたく

わが父よ王なる神静まりあなたを知る

キリストのなかに憩い信頼と主の力知る

雷(いかずち)鳴り渡るなか主と共にはばたく

わが父よ王なる神静まりあなたを知る

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