『アドヴェント・カレンダー』

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赤石めぐみによるメッセージ

クリスマスが近づいてきました。

今週と来週は、世界の有名な作家たちが10代の人たちのために書いたクリスマスの物語の中から、1冊ずつ、2つの本をご紹介しようと思っています。

今日ご紹介するのは、『アドヴェント・カレンダー』という題の本です。これは、15年ほど前によく読まれた『ソフィーの世界』という本を書いたノルウェーの作家、ヨースタイン・ゴルデルの作品で、『ソフィーの世界』の次に書かれました。

アドヴェント・カレンダーなるものを、皆様はご覧になったことがおありでしょうか。大きさはいろいろですが、クリスマスの絵のなかに数字のついた小さな窓が25個ほどあって、アドヴェントと呼ばれる期間に、クリスマスまで毎日、一つずつ窓を開けると、その中に小さな絵が書いてあったり、何か、ものが出てきたりするような仕掛けが施されたカレンダーです。クリスマスまでのカウントダウンカレンダーと言ったほうがわかりやすいかもしれません。

「たそがれどきの薄闇がたれこめていた。クリスマスのイルミネーションが点(とも)り、その光の隙間をぬうように、ぼた雪が舞っていた。とおりは人の波でごったがえしていた。

足早に道を行く人びとのなかに、パパとヨアキムもいた。クリスマスを待つ、12月の特別の日々を数えるためのアドヴェント・カレンダーを買いに、町までやってきたのだ。きょうがぎりぎり。だって、あしたはもう12月1日なのだから。なのに、キオスクでも、広場に面した大きな本屋でも、アドヴェント・カレンダーはとっくに売り切れていた。・・・」

こんなふうに物語は始まります。やがてパパとヨアキムの2人は古いものがたくさん並んでいる小さな本屋で、ちょっと変わったアドヴェント・カレンダーを見つけます。なんでもこのアドヴェント・カレンダーはパパが生まれたときくらいに作られたものらしいのですが、まだ窓は一度も開けられたことがないのです。ヨアキムはこのカレンダーが気に入ったので、ただで譲ってもらって、毎日窓を開けていきます。窓をあけると、カレンダー全体の絵をもっと完成へと近づけるような小さな絵が出てきます。それだけではなくて、表にも裏にもびっしりと小さな文字が書かれた薄っぺらな紙を、何重にも小さく折りたたんだものが入っていました。その小さな薄い紙に、クリスマスの日まで、毎日続く物語が書いてあるのです。

物語とは普通、時が進む方向に向かって進んでいくものですが、このアドヴェント・カレンダーの物語は、翌日になると数百年、時代をさかのぼって、話が進んでいきます。物語は1948年12月、ノルウェーのあるデパートからぬいぐるみの羊が逃げ出して、それをエリーサベトという女の子が追いかけるところから始まります。追いかけていくうちに、どんどん時間がさかのぼり始めました。次の日には天使が登場しました。そして、1日物語が進むごとに、登場人物(動物もいます)が一人増え、その登場人物たちが、一緒に2000年前のベツレヘムを目指して旅を進めていくのです。24日でヨーロッパを北から南へ縦断し、しかも、2000年という時をさかのぼる旅。天使や羊が増えるほか、東の国の博士や皇帝たちも加わってきます。時をさかのぼっていくうちに、複雑なヨーロッパの教会の歴史もからんできます。今も残る古い古い教会堂が建ったばかりの頃に、登場人物たちが、その土地・その時代にやってくる、という場面もあります。

例えば今日は18日ですから、18日にこの登場人物たちがどのへんに来ているかというと、地理的には今のトルコ、当時のコンスタンティノープルまで南下して来ました。時代は400年代までさかのぼってきています。そしてこの日、登場人物たちが、451年のカルケドンを通過した、というエピソードは、神学を学ばれた方にはちょぴり興味深いことかもしれません。

こうして24日まで物語が進んだとき、登場人物たちは2000年前にイエスさまが生まれるまさにそのときに馬小屋に到着して、お生まれになったところを見届けたのでした。見届けるやいなや、天使や羊飼いや博士たちは、聖書に書いてあるとおりの務めを果たしに赴いていって消えてしまい、一人、エリーサベトだけが馬小屋に入っていって、お生まれになったばかりのイエスさまとの時間を過ごしたらしい、というところで、カレンダーから出てきた薄い紙に書かれた物語は終わります。

この本自体の物語は、これにさらにミステリーの要素が加わっています。この薄い紙に書かれた物語のスタート時点だった1948年の12月に、実際にノルウェーのデパートで、主人公と同じ名前のエリーサベトという女性が行方不明になったという事件があったことがわかり、行方不明になったエリーサベトの存在を捜すことが同時進行的に重なってきます。その人が約50年の時を経て、この年のクリスマスの日に見つかって、ヨアキムたちの前に姿を現すという結末になっています。

薄い紙に書かれた物語のエリーサベトが時をさかのぼって生まれたばかりのイエスさまにお会いできた日に、実在のエリーサベトが、いなくなっていたのに見つかった、本来いるべき場所に戻ってきた、という物語。私たちはイエスさまにお会いできたときに、本当に存在できるのかもしれない、と考えさせられる物語です。

皆様もイエスさまに会いに、旅立ちませんか?神さまの方ではもう用意が済んでいます。「時は満ち、神の国は近づいた。」あと一週間でだって2000年前のイエス様のところに行けるかもしれません。いいえ、今日、今これから教会の礼拝に出かけることでだって、もうイエスさまに近づくことが出来るのです。皆様も、イエスさまに会って、本当に自分が存在できるようになるための一歩を、どうぞ踏み出してください。

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