ハレルヤ、神の聖所で

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聖書の言葉

ハレルヤ。

 聖所で          神を賛美せよ。

 大空の砦で        神を賛美せよ。

 力強い御業のゆえに    神を賛美せよ。

 大きな御力のゆえに    神を賛美せよ。

 角笛を吹いて       神を賛美せよ。

 琴と竪琴を奏でて     神を賛美せよ。

 太鼓に合わせて踊りながら 神を賛美せよ。

 弦をかき鳴らし笛を吹いて 神を賛美せよ。

 シンバルを鳴らし     神を賛美せよ。

 シンバルを響かせて    神を賛美せよ。

 息あるものはこぞって   神を賛美せよ。

 ハレルヤ。

旧約聖書 詩編 150編

長谷部真によるメッセージ

先日のある朝に、息子が幼稚園に向かう道で、覚えたての賛美歌を口ずさんでいました。来る日も来る日も、幼稚園に向かう途中、同じ歌を歌うのを聴きながら、いつの間にか自分も歌っていることに気づきました。勉強をしている時、仕事をしている時、通勤・通学の時間。私たちは普段、様々な場面で歌や音楽に触れます。誕生日やお祝いの時、キャンプなどの特別なイベントがある時にも、一緒に歌うことがあります。仕事や勉強に集中したり、逆にリラックスしたり、私たちは音楽を通して、何かしら助けられることがあります。息子の賛美に、私は元気づけられました。

息子が口ずさんでいたその賛美歌は、今年5月に行われたキャンプの礼拝で歌った賛美歌でした。賛美は心に残るのに、コロナ禍で、集まることが出来ない時期が続きました。「心の中で賛美する」として、口ずさむことも難しい時期を過ごされた方も、少なくないかと思います。5月に行われたそのキャンプで、私自身、「あぁ、良いなぁ」と、久しぶりに「一緒に賛美する」ことの喜びを覚えました。一人で御言葉を読むのとも、一人で口ずさんで歌うのとも違う、大きな喜びが与えられました。

【神を賛美する特権】

息子が口ずさんだその歌詞が、「ハレルヤ、神の聖所で 神をほめたたえよ。御力の大空で、神をほめたたえよ」という、先ほどお読みした詩編150編の御言葉でした。ジュネーヴのジャン・カルヴァンは、「詩編の中には、聖霊によって、人の心のあらゆる感情のあらしが示されている」と説明しました。悲しみ、恐れ、病、望み、心配、思い煩い。あらゆる感情が歌われた詩編は、最後この150編で締め括られます。この詩は「ハレルヤ」という言葉から始まり、「ハレルヤ」という言葉をもって閉じられます。「ハレルヤ」とは、ヘブライ語で「神をほめたたえて喜ぶ」言葉です。様々な言葉が綴られる詩編ですが、そのすべてをまとめるように、150編は繰り返し、「神を賛美せよ」と歌います。礼拝とは、特別な喜びの場所であり、開かれた場所です。大人も子どもも、男性も女性も、どんな国の出身の人も、一緒に神様を賛美するために招かれています。

【「聖所で、大空で」賛美せよ】

詩人は「聖所で、大空で 神を賛美せよ」と呼びかけます。「聖所」とは礼拝がささげられる場所です。イスラエルの民は、神殿に集まり、神様に賛美の歌を共に歌いました。その賛美の声は神殿の中にとどまらず、大空に響き渡るような賛美でした。神殿だけではない。神様が造られた世界の隅々に届くように、と詩人は賛美を促します。賛美は実に多様です。角笛、琴や竪琴、太鼓や弦楽器、そしてシンバルを鳴らしながら、まるでオーケストラと合唱団が共に歌うように、人々は神を賛美します。

詩人はなぜ、「神を賛美せよ」と促すのでしょうか。2節で詩人は「力強い御業のゆえに、大きな御力のゆえに」と賛美する理由を語ります。神様が私たちにしてくださった様々な御業と御力。聖書はその神様の御業を伝えます。私たちの生きる世界を造られた御業、神様の御もとから離れ、罪のうちを歩む私たちを救い出される御業、そして罪の赦しの御業。聖書を通して神様が示された、私たちのためにしてくださった御業があります。その一つ一つを、詩人は賛美の歌によって繰り返し記憶に刻み、覚えているのです。わたしたちの日々の歩みの中に、神様の御業が溢れていることを、詩人は私たちに思い起こさせます。6節、「息あるものはこぞって 主を賛美せよ。ハレルヤ」とある通り、神様によって造られたすべての者たちが、賛美に招かれています。

イエス様はことあるごとに、弟子たちと賛美の歌を歌いました。五千人の群衆に食事を与えられた時も、引き渡される夜、最後の食事を囲まれた時も、エマオで弟子たちの前に現れた時も、イエス様は弟子たちと一緒に、共に祈り、賛美の歌を歌う喜びを教えられました。イエス様が捕えられ、十字架にかけられて葬られた時、弟子たちは不安の中に留まっていました。部屋に閉じ籠り、弟子たちが話し合っていると、イエス様は現れ、食事をされます。そして「わたしについて聖書に書いてある事柄は、必ず実現する」とおっしゃいました。神様の救いの御業を目の当たりにした弟子たちは、喜びに満たされて、賛美の歌を歌います。そして世界中で神様の賛美が響き渡るように、賛美の言葉を口にしながら、福音宣教に遣わされていきます。

【賛美の喜びを味わう】

「息のある者はこぞって 主を賛美せよ」今を生きる全ての人たちが、神様への賛美に招かれています。イエス様を通して、その大きな神様の御力が示された私たちが、賛美の喜びを分かち合うために、神様を喜び、賛美するために、教会では今日も、礼拝がささげられています。その礼拝の中で、賛美歌が歌われています。イヤホンで聴くのでもなく、一人で口ずさむのでもありません。賛美の喜びを分かち合う交わりが、そこにはあります。ぜひ教会にお越しいただき、その喜びを肌で感じて味わっていただければ嬉しく思います。今週も一週間、神様の祝福が豊かにありますように。行ってらっしゃい。

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