天の国は、パン種のようなものである

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聖書の言葉

また、別のたとえをお話しになった。「天の国はパン種に似ている。女がこれを取って三サトンの粉に混ぜると、やがて全体が膨れる。」

新約聖書 マタイによる福音書 13章33節

金昭貞によるメッセージ

先週に引き続き、今日も天の国についてお話させていただきます。天国、つまり天の国は、良い行いによって入るところではなく、主イエスを信じる信仰によって入ることができます。しかし、主イエスを信じる信仰によってのみ行ける天の国とは、既にこの世に実現されています。2000年前に来られた主イエスが、人間の罪を負い十字架で死なれたため、既にこの地に天の国をもたらしてくださいました。そのため、主イエスを信じる者は、この世でも天の国を味わうことができるのです。

しかし、天の国は私たちの目には見えません。むしろ隠れていると言えます。そこで、今朝の御言葉では、主イエスは天の国をパン種にたとえられます。古代社会では、パンを発酵させる方法として、すでに発酵された古い生地に新しい生地を混ぜることがありました。それゆえ、今朝の御言葉でも「パン種を粉に混ぜる」とあります。しかし、原典のギリシア語では、「混ぜる」という言葉ではなく、「見えないところに隠す」という意味のギリシア語が使われています。直訳すると「パン種を粉の中に隠した」となります。意図的に「パン種を粉の中に隠す」という不自然な表現をお使いになったのですが、それは天の国の隠れた性質を示すためです。

天の国は隠されています。そのため、多くの人々がもどかしさを感じ、天の国を疑問視します。これは2000年前の主イエスの活動においても現実の問題となり、弟子たちも同様に揺れ動きました。弟子たちは天の国が直ちに到来し、敵がすぐに打ち破られる様を目にしたいという焦りを抱いていたでしょう。天の国が即座に、目に見える形で現れることを期待していました。しかし、天の国は目に見えず、隠れています。こうして、天の国は隠されているため、比較的に無力に見えるかもしれません。特に日本のようにキリスト者の人口が少ないところでは、天の国の支配は本当に隠されているように感じられます。

しかし、天の国は隠れたまま終わるのではありません。天の国は大きな影響を及ぼします。先週、からし種は小さく始まりますが、その結果は大きいとお話ししましたように、パン種は隠されていますが、その影響力は偉大です。今朝の御言葉をもう一度お読みいたします「天の国はパン種に似ている。女がこれを取って三サトンの粉に混ぜると、やがて全体が膨れる。」三サトン、すなわち、およそ27キロの小麦粉にパン種を加えると、約100~150人分のパンを作ることができるほど膨らみます。隠れているパン種は、家族だけでなく、村全体が食べることができるほど大きく膨らむのです。

2000年前、この地に来られた主イエスは、ベツレヘムの馬小屋で生まれました。主イエスはベツレヘムという小さく目立たない場所で生まれました。まさに隠されているように見えます。しかし、神様は、多くの弟子たちの福音の宣教を通して、パン種のように隠されていた天の国を大きく広くしてくださいました。主イエスによってもたらされた天の国は、ベツレヘムのユダヤ地だけに留まらず、サマリアを経て、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、アジアなど世界中に広まり、日本にも及びました。そして今後も広がり続けます。

マタイによる福音書13章44節にこういう御言葉があります。「天の国は次のようにたとえられる。畑に宝が隠されている。見つけた人は、そのまま隠しておき、喜びながら帰り、持ち物をすっかり売り払って、その畑を買う。」この箇所では、天の国が畑に隠された宝に例えられ、宝を見つけた人は大いに喜び、全財産を売り払ってその畑を買うと語っています。このたとえは、隠されている天の国を発見することがいかに価値があるかを語っているのです。今朝、神様は特別にラジオを通して隠されている天の国をあなたに示してくださいました。どうか、天の国があなたのところまで広がるように祈ります。

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