神はあなたを照らされる

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聖書の言葉

起きよ、光を放て。

あなたを照らす光は昇り、

主の栄光はあなたの上に輝く。

見よ、闇は地を覆い、暗黒が国々を包んでいる。

しかし、あなたの上には主が輝き出で、

主の栄光があなたの上に現れる。

旧約聖書 イザヤ書 60章1~2節

宮﨑契一によるメッセージ

聖書をずっと読み続けていますと、ある個所を読む時に、そこに昔の自分の姿を思い出す、ということがあります。今お読みした聖書の個所を読む時に、私は、自分が大学生であった時のことを思い起こします。

私が通っていた大学は、洗礼を受けたクリスチャンでなければ入学することのできないという、珍しい大学でした。ですから、当然、学生は全員がキリスト教の洗礼を受けた人たちです。全員がそうでした。そして、その大学は基本的に全寮制の大学でもありました。ですから、学生は卒業するまでの間を、全員が寮の中で過ごすことになります。

その時にいつも、朝の6時を過ぎた時に、目覚ましのための賑やかな歌が、寮に鳴り響いていました。それが、このイザヤ書60章1節をそのまま歌詞にした歌でした。今お読みした個所には、「起きよ、光を放て」とあります。いつも朝の6時過ぎに寮の中に「起きよ、光を放て」と歌われる賑やかな歌が流れてきて、それを聞いて学生たちが目を覚ましていたということがありました。ですから、私はこの聖書のイザヤ書の言葉を見る時に、大学生の時に寮で生活をしていた頃の自分を懐かしく思い起こすのです。

しかし、今改めてこの聖書の言葉を読む時に、大学生の時とは違ってまた新しくこの言葉から教えられることがあります。ここでは起きよ、と言われていますが、もちろんここでは、ただ単に朝が来て、起きなさい、ということが言われているのではありません。起きよ、と言われた後に、光を放て、と言われています。私たちに、「起きよ、光を放て」と聖書は語っています。これはどういうことなのでしょうか。

今日の聖書の個所には続けて、こういうことが言われています。「見よ、闇は地を覆い、暗黒が国々を包んでいる」。闇が地を覆っていて、暗黒が国々を包んでいる、というのです。私たちは、普段そこまで思うことはないかもしれません。どこがそれほどの暗黒なのだ。確かに、この世界にはいろいろな問題はあるけれども、何もそこまでの深刻な問題ではないのではないか。どこが暗黒なのだ、このままの自分たちでも良いのではないか、そのようにも思われるかもしれません。

しかし、聖書に記されていることは、紛れもなく暗闇が国々を包んでいる、ということです。人はそういうところに生きています。神というお方に対して、人は誰でも、自分でさえも知り尽くすことのできないような暗闇を抱えています。私たちも、そういう自分自身の姿を覚えることがあるのではないでしょうか。「起きよ、光を放て」と言われます。しかし、暗闇に包まれているとありますように、人は誰でも、自分で起き上がることはできません。自分自身で光を放つことはできないのです。全くの闇の中に置かれています。聖書が言っていることは、人は誰でも神様の前にそのようである、ということです。人の中に本当の光はありません。神に対して輝けるような光はないのです。

私たちの中でも、例えば、自分の見た目を良く見せることとか、まるで自分が輝いているかのように取り繕ったりすることなどは、私たちの中でも本当に良くあることだと思うのです。けれども、そこに本当の光はあるのでしょうか。私たちがどのような時でも、自分の全てをそれに委ねることのできるものでしょうか。やはり、そうではないのだと思うのです。私たちがそういう表面的なことではなく、本当に輝こうとするならば、私たちはそれを頂かなくてはならないのです。聖書が記していますように、人間は闇に覆われ、暗黒に包まれたところで生きています。ですから、私たちは本当の光を頂かなくてはならない。この光は、私たちにとっての救いの光と言って良いことです。

「起きよ、光を放て」と言われます。これは何か、無謀なことが言われているのではないのです。光が無くて暗黒に包まれているのに、とにかく輝けと、そういう無謀なことが言われているのではありません。聖書には「あなたの上には主が輝き出で、主の栄光があなたの上に現れる」とあるのです。神があなたの上に輝いておられる、神の栄光があなたの上に現れているのだ。だから、今この時この光に起きよ、目覚めよ、と言われるのです。

聖書の神は、その光で私たち暗闇の中に住む者を照らそうとされるお方です。暗闇の中の私たちをその光で照らそうとされます。神は、その独り子であるイエス・キリストをこの暗闇の中にお送りになりました。神は、独り子イエス・キリストをお送りくださるほど、この世に御自身の光を輝かそう、この世を愛そうとされます。そして、そのイエス・キリストも聖書の中で御自分のことについてこう言われました。「わたしは世の光である。わたしに従う者は暗闇の中を歩かず、命の光を持つ」。

神はイエス・キリストをお遣わしになって、私たちすべての者たちを照らそうとされています。今こそ起きよ、光を放つ者となれ、輝け、と言われます。私たちの周りには様々な現実があります。私たちにはとても理解できないようなことも起こります。大きな闇があります。しかし、その中で、この光の下へと神はあなたを招いておられるのです。

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