お正月の食事、過越の祭り

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聖書の言葉

これが主の過越の犠牲である。主がエジプト人を撃たれたとき、エジプトにいたイスラエルの人々の家を過ぎ越し、我々の家を救われたのである。

旧約聖書 出エジプト記 12章27節

佐野結子によるメッセージ

皆さま、新年あけましておめでとうございます。新しい年が明けて、ご家族と共に、一家団欒の時を、お節料理を囲みながら、持たれた方も多いのではないでしょうか。

お節料理には、一年の幸いを願って、一つ一つに意味が込められているようですね。祝いの膳には、めでたい、の鯛があります。魚のぶりは出世魚ですし、昆布はよろこぶと語呂合わせで、黒豆は、まめまめしく働くようにと言われ、レンコンは穴が開いていますから、見通しが利くようにと、数の子は、子孫繁栄を願っています。

では、聖書では、お正月には、どんな食事があるのでしょうか。お正月には、「過越の祭り」という特別な食事を家族ごとに持ちます。主なる神様が、モーセとアロンを通して、イスラエルの共同体全体に告げて言います。

ここでお断りをしておきますが、「イスラエル」というのは、古代イスラエルのことでして、今、現代のユダヤ教のイスラエル国家とは、異なりますので、誤解のないようにお願いします。

お正月には、家族ごとに、小羊一匹を屠って、焼いて食べます。そして、酵母を入れないパンに、苦菜を添えて食べる、このことが、エジプトで奴隷であったところから、神様によって救い出されたことを記念する食事であります。

小羊のお肉と言いますと、ラム肉ですが、日本人にはあまりなじみがないですが、召しあがったことはありますでしょうか。このラム肉は、油が、体に良い油で、青魚の油と同じですので、陸の魚とも言われています。また、「傷のない小羊」欠陥のない完全な、小羊が用意されました。

次に酵母を入れないパンですが、これは、エジプトを脱出する際に、酵母で発酵させる時間がなかったためでした。ふっくらしていない、ぺちゃんこなパンで、味気のない食べ物ですから、エジプトでの苦難を、思い起こすためであります。また、発酵することは、腐敗して、腐ることを指していまして、古いパン種、酵母を入れることは、悪意と邪悪が入ると、考えられました。酵母を入れない、純粋で真実のパンを用意した、ということです。

そして、苦菜を添えて、とありまして、生で食べる菜っ葉のことで、ほろ苦い味がします。この苦菜、苦いものも、エジプトでの、苦難を表していています。

さらに、モーセはこう告げます。清めとなる、ヒソプの枝を、鉢の中の小羊の血に浸して、家の入口の2本の柱と鴨居に塗りなさい。その夜から、翌朝まで、誰も家の入口から出てはならない。主がエジプト人を撃つために巡るとき、鴨居と2本の柱に塗られた血をご覧になって、その入り口を過ぎ越される。滅ぼす者が家に入って、あなたたちを撃つことがないためである。

どうして、柱と鴨居に、血を塗ってある家は、滅ぼされず、死から免れたのでしょうか。

「生き物の命は、血の中にある」と言われていまして、小羊の血の中に、小羊の命がありますから、小羊の命が犠牲となり、身代わりとなって、家の中に入っている人のいのちは、贖われる、救われる、滅びから救われる、ということであります。血を塗ることによって、外から見て、この家は、生き物の命が贖われたんだなあと、分かる。血のしるしを見たならば、神様は、あなたたちを過ぎ越し、死の災いを通り過ぎて、滅びを免れる、ということであります。

ここでの「滅ぼす者」というのは、このエジプトの場合、滅ぼす者、神の御使いが、即刻、死に至らせるという、恐ろしい伝染病や、疫病をもたらしたのではないかと考えられます。このあと「死人が出なかった家は一軒もなかったので、大いなる叫びがエジプト中に起こった」とあります。

主なる神は、エジプトの国のすべての初子を撃たれました。王座に座すファラオの初子から、家畜の初子もことごとく撃たれた、とあります。エジプトの民に対して、権威を有するのは、ファラオではなく、神である、という神さまの主権を、明らかにしています。

この出来事は、「主は、力強い御手をもって我々を奴隷の家、エジプトから導き出された。」と子供たちにも告げています。主の力強い御手を持って、奴隷から救ってくださった、そういう根源的な救い、救済を表すものでありました。

この過越しで、流された血は、今や、時満ちて、イエス・キリストが、十字架で血を流されたことを指し示しています。主イエスは、見よ、世の罪を取り除く、神の小羊と、呼ばれました。この世の闇の力、罪の力の奴隷となっているところから、力強い神の御手によって、死の災いを過ぎ越して、根源的に救ってくださいました。このお正月に、奴隷の家から救い出された、過ぎ越しの祭りの食事を覚えて、家族と共に、子々孫々に、我々の家を救われた、ということを、喜び祝いたいと願います。

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