羊のメーコちゃん

私は昨年（2020年）から、メーコちゃんという名前の、羊のハンドパペットを使って、子どもたちに聖書のお話をしています。最初は昨年の緊急事態宣言中の１ヶ月くらいと思ったのですが、おもった以上に子どもたちが気に入ってくれたので、かれこれ教会に登場して1年以上が経ちます。すっかり教会のゆるキャラのようになりました。

そもそもなぜ羊なのかというと、私の娘たちが羊が好きだということもありますけれども、聖書の中にたびたび羊が出てくるからです。主イエスはこうおっしゃいました。「わたしは良い羊飼いである。良い羊飼いは羊のために命を捨てる」主イエスは、ご自分をよい羊飼いだとおっしゃいました。だとすると私たちは羊です。羊は弱い存在です。主イエスは、わたしたちが弱さを抱えている存在であること、羊飼いがいなくては迷いでてしまうことを知っておられます。

羊は羊飼いが共にいれば、大丈夫です。私たち人間も、羊飼いのような神様が共にいてくださるなら、安心して生きることができるのです。メーコちゃんが子どもたちに人気なのは、良い羊飼いである主イエスからの、大丈夫だよ、安心していいよ、私に信頼しなさい、というメッセージが子どもたちに届いているからだと思います。

先日、こんなお話を聞きました。コロナウィルスによって、マスクをつけることが当たり前になりました。あるお子さんは、マスクを付けている大人の姿しか見たことがないので、いつも一緒にいたはずの大人がマスクを外したら、びっくりしてしまって、思わず泣いてしまったのだと言います。マスクを外した顔が、イメージしていた顔と違ったからなのかわかりませんが、とにかくびっくりして泣いてしまったのだと言います。マスクの顔が普通になった今、顔を見ただけで怖くなってしまう子どもたちは、もしかしたら誰かを信頼したくもなかなかできないということがあるかもしれません。

誰かの顔の表情を見て学ぶこと、感じること、またある時にはその表情を真似したりしながら、人との関係作りを学ぶことがあるのだと思いますけれども、それがなかなかできないとしたら、意思疎通が難しくなったり、その中で不安や孤独を感じやすいこともあるかもしれません。

主イエスは、そんな私たちの羊飼いとなってくださいます。「よい羊飼いは命を捨てる」まさに主イエスは十字架におかかりになり、命をささげて罪から救ってくださいました。命を捨てるほどに、羊を愛してくださる良い羊飼いは、羊の弱さを知り、羊を気にかけてくださいます。羊が不安と孤独の中にいれば羊の名を呼びながら、いつも近くにいてくださいます。

羊飼いは羊の声を聞いています。主イエスも、私たちの心の奥の声さえも聞いてくださいます。私たちの名を呼んで近くにいてくださる羊飼いは、私たちの恐れや不安の全てを受け止めて下さいますので、信頼することができます。

主イエスは、「羊飼いではなく、自分の羊を持たない雇い人は、狼が来るのを見ると、羊を置き去りにして逃げる」とおっしゃいました。雇われの羊飼いは、命の危機にさらされる困難があったら、逃げ出してしまう。良い羊飼いは、羊が命の危機にさらされるなら、命を捨てるほどの愛を持って守って下さいます。困難な時こそ、近くにいてくださるのです。

毎日マスクの顔ばかりの不安な生活の中で、良い羊飼いが私たちと共にいてくださる、これは本当に心強いことです。良い羊飼いと密な関係を築いていくことがゆるされています。あなたと密な関係を築きたい、良い羊飼いの方が私たち近づいてきて下さいます。羊のメーコちゃんは、子どもたちに真の羊飼いであられる主イエスが共におられること、いろんな辛いことがあっても安心して歩むことができることを教えてくれます。

たかが人形ですけれども、されど人形です。もこもこした、可愛らしい姿を見ると子どもも、大人も思わず頬がゆるみ、緊張していた心も、不安な心もときほぐされていきます。あるお子さんは毎週メーコちゃんに会えるのが楽しみで、紙袋でお部屋やベッドまで作ってくれました。

私は羊のメーコちゃんと、この良い羊飼いのことをこれからも伝えていきたいと思います。もしメーコちゃんをご覧になりたい方は、ぜひ園田教会にお越しください。毎週、皆様をお待ちしています。またはインターネットで園田教会と検索していただき、教会ホームページから礼拝動画を選択していただけると見ることができます。弱さを抱えた羊のような私たちを、羊飼いが心にかけ、愛を注いでくださっていますので、不安なときにこそ人生のよりどころを求めて礼拝にいらしてみませんか？