永遠の救いに導く星

今朝は先週に引き続き、クリスマスに関係する所からお話します。

イエス・キリストは、ヘロデ王の時代にユダヤのベツレヘムでお生まれになったと聖書は記しています。ここに記されているヘロデ大王は、ローマ帝国の庇護を受けて、ユダヤの領主となり、紀元前37年から紀元前4年まで支配した、実在の人物です。非常に猜疑心が強く、妻やその母親、3人の息子達をも葬り去った残忍な人物として知られています。

このヘロデ王の時代に、占星術の学者達が、東の方からユダヤの国の中心であるエルサレムにやって来たというのです。学者達は、尋ねました。「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。わたしたちは東方で、その方の星を見たので、拝みに来たのです。」

ユダヤの東は、アッシリア、バビロン、ペルシャといった、ユダヤの敵国です。聖書では「東」の方角は、神様から追放された場所、神様から遠く離れた場所、そして神様に敵対する者達の住む場所を指します。その東の方から、学者達がイエス・キリストを拝みに来たというのです。占星術の学者は、ペルシャにおいては、教師、導き手の地位にいました。彼らは、哲学、薬学、自然科学に秀で、占いをし、夢解きをしました。そして、一般的にも、特別な現象によって天体の秩序が乱れると、何か特別なことを告示していると、考えられていました。ローマの歴史家スエトニウスは、後にこのように記しています。「東方諸国一体には、昔から揺るがぬ信仰があった。それは、その頃ユダヤから、世界を支配する者が出現するということであった。」また、ローマの歴史家タキトゥスもこのように記しました。「人々が固く信じていたことは･･･その頃東の国が強力になり、ユダヤから出た支配者が全世界を包括する帝国を築く、ということである。」と。イエス・キリストの誕生された時代、世界を凌駕する絶対的な王が現われると、多くの人に信じられていたのです。しかも、その王は、全能の神を拝むユダヤ人から出ると信じられていたのです。東方の占星術の学者達は、特別な星の出現によって、その王の誕生を確信したので、拝みに来たのです。

ヘロデは、どれほど動揺したことでしょう。ヘロデ王は早速、ユダヤの祭司長や律法学者達を皆集め、メシア、つまり、救い主はどこで生まれることになっているのか、問いただしました。すると「ユダヤのベツレヘム」であると判明します。聖書の預言書のミカ書5章1節にはっきりと預言されていたからです。『ユダの地、ベツレヘムよ、お前はユダの指導者たちの中で、決して一番小さいものではない。お前から指導者が現われ、わたしの民のイスラエルの牧者となるからである。』

そこで、ヘロデは、占星術の学者達をひそかに呼び寄せて、星の出現の時期を確かめます。王となる幼子を殺すためです。そして、「その子が見つかったら、教えてくれ、わたしも行って拝もう」と偽りの言葉で学者達を送り出します。

学者達は、この星が世界を支配する王の星であると知っていました。そして、彼らは心から、世界を平和に治める力ある王を、待ち望んでいたに違いありません。真実に平和の王を探し求める者には、神様が先立って導いてくださいます。「彼らが王の言葉を聞いて出かけると、東方で見た星が、先立って進み、ついに幼子（イエス・キリスト）のおられる場所のうえに止まった。」と聖書は記しています。不思議な方法で、明確に学者達は、神の御子の所に導かれて行くのです。そして、学者たちはその星を見て喜びにあふれたと記されています。

真実に真理と平和を求める者達は、イエス・キリストの誕生を喜びます。イエス・キリストは「驚くべき指導者、力ある神、永遠の父、平和の君」と唱えられる、と聖書に記されています。イエス・キリストは、正義と慈しみによって世界を治められます。そして、究極の愛によって、私達を救ってくださいます。それは、御自身を十字架に献げて、私達の罪の身代りに死ぬという方法によってです。そして、今や、完全な償いを成し遂げて、死から甦り、天で執り成してくださっています。そして、今も、御自身を通して、信じる者達を救われるのです。イエス・キリストは貴方を造られた御方です。あなたを造られた御方が、あなたの罪を償うために、十字架に死んでくださったのです。この御方は、永遠の愛であなたを愛して、御自身の十字架の御業を通して、あなたを、永遠の救いに入れて下さる、救い主なのです。共に、永遠の救いに導いてくれる星を追って、イエス・キリストのおられるところに、馳せ参じましょう。