あなたのために来られた救い主

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聖書の言葉

「ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのである。マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである。(中略)「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」この名は、「神は我々と共におられる」という意味である。

新約聖書 マタイによる福音書 1章20~23節

袴田清子によるメッセージ

聖書のマタイによる福音書には、クリスマスがヨセフの側から、記されています。

イエス・キリストの母となるマリアは、既に夫ヨセフと婚約していました。当時のユダヤの慣習では、婚約期間はおよそ1年です。それは結婚と同じくらいの重みを持ち、この間に他の人と通じれば、死罪に値します。まだ、一緒になってはいませんでしたが、法的にはマリアは既にヨセフの妻だったのです。しかし、この婚約期間に、マリアが身ごもっていることが分かりました。

ヨセフは、どれほど傷ついたことでしょう。自尊心が傷ついたとか、名誉が汚されたということ以上のショックです。愛する人に、裏切られたショックです。愛していればいる程、愛が裏切られた時、私達は傷つきます。信頼していたからこそ、信頼と愛が粉々に砕かれる時、深い傷を負います。

しかし「夫ヨセフは正しい人であったので、マリアのことを表ざたにするのを望まず、ひそかに縁と切ろうとした。」と記されています。そのままヨセフが何事も無かったかのように、マリアをめとることは、できないことでした。堪え難い屈辱と痛みを伴うからです。他方、マリアを告発して、死刑の宣告を受けさせるということも望んでいませんでした。そこで、全ての事実を隠して、ひそかに離婚しようと決心したのです。

傷つき、悩み、疲れ果て、眠ってしまったヨセフに、主の天使が現われ、こう語ります。

「ダビデの子、ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのである。マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである。」天使は、ヨセフの夢に働きかけ、マリアの胎の子が、聖霊によるものであると教えて下さいました。この天からの介入によって、ヨセフの心の痛みは和らぎ、疑いの気持ちが取り除かれます。

この天使の言葉には、大切なことが3つ盛り込まれています。

第一の点は、「ダビデの子、ヨセフ」と呼びかけて、ヨセフに自分の役割を自覚させていることです。ダビデの子孫から、救い主が生まれる、と聖書は預言しています。ヨセフこそ、救い主の父親の役割を果たす人なのです。マリアとその赤ちゃんを引き受けなければなりません。

第二の重要な点は、マリアの胎の子は聖霊によって宿ったということです。この聖霊によって宿ったということは、神様が歴史の中心に来られたという意味です。聖なる永遠の御方である神様が、人間として来られたのです。この聖霊による、神の御子の受肉は、神の御子、イエス・キリストの二性一人格という重要な教理です。イエス・キリストが真の神でありつつも、真の人であり、一人の人格であられる。このことによって、はじめて、人間の身代りとしての救い主であることができ、救いが成り立つからです。

第三の重要な点は、この赤ちゃんはイエスと名付けられるということです。「イエス」は、ギリシャ語で「イエスース」であり、ヘブル語では「ヨシュア」です。それは「主は救いである」という意味です。マリアの胎に宿った主イエスこそ、ご自分の民を罪から救う救い主なのです。

天使から導きを与えられたヨセフは、眠りから覚めると、敏速に行動し、マリアを妻として迎え入れます。このように、神様は、愛する独り子を、この若い二人に委ねられました。なんという驚くべきことでしょうか。若く、貧しく、人生経験も無い者に、神様の御子が委ねられるとは。これは、神様の人間への愛と信頼の表れなのです。

古くから、旧約聖書に救い主の誕生は預言されていました。「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる」。「インマヌエル」それは、「神は我々と共におられる」という意味です。まさしく、聖霊によって、処女マリアの胎に宿られた神の御子こそ、「インマヌエルの神様」「神様が私達と共にいてくださる」証拠です。

ヨセフが引き受け、マリアから生まれられたイエス・キリストこそ、私達のために全てを献げてくださった神様です。私達の身代りに十字架に掛かり、私達の罪を赦すための犠牲となってくださった救い主です。このイエス・キリストだけが、天の父なる神様と私達の間を取り持ってくださる救い主です。罪のない神の御子イエス・キリストだけが、私達を完全に救うことのできる御方です。

イエス・キリストは、あなたのための救い主です。あなたをそのままに救うために、十字架にお掛かリくださいました。神様の愛の表れである、救い主イエス・キリストを受け入れましょう。今日、あなたが、あなたの救い主を受け入れ、大きな喜びに満ちますように、心よりお祈り致します。

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