『ハイジ』

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聖書の言葉

起きよ、光を放て。あなたを照らす光は昇り、主の栄光はあなたの上に輝く。

見よ、闇は地を覆い、暗黒が国々を包んでいる。

しかし、あなたの上には主が輝き出で、主の栄光があなたの上に現れる。

旧約聖書 イザヤ書 60章1節

赤石めぐみによるメッセージ

アニメで有名な『アルプスの少女ハイジ』。わたしも子どもの頃ずっと見ていました。先日、原作の『ハイジ』を久しぶりに読みました。原作者の名前がヨハンナ・シュピリだということも、キリスト教的背景を色濃く反映している作品だということも、この年齢になってから読んでみて、改めて知りました。

今日のお話の副題を「ヨハンナ・シュピリによる福音書」としました。「福音」というのは、「救い主が来た」という良い知らせのことですが、救い主が来たことのしるしは「目の見えない人は見え、足の不自由な人は歩き、(中略)死者は生き返り、貧しい人(気落ちしている人)は福音を告げ知らされている」ことだ、とイエスさまご自身がおっしゃっています(マタイ11章参照)。

『ハイジ』のあらすじは皆さまよくご存じだと思います。ハイジは、いろいろな人の心を和らげました。頑固で村の人たちと距離を置いて過ごしていたおじいさん。ハイジがやってきて一緒に過ごし始めて、ハイジに対しては心を開きました。ハイジがいったんおじいさんのもとを離れた後、フランクフルトから帰ってきて、ハイジは放蕩息子のたとえの絵本をおじいさんに読んで聞かせました。それがおじいさんの心の奥底に響いたのか、おじいさんは悔い改めて教会の交わりに戻る決心をしました。おじいさんは「神さまとも人間とも仲良くすると、こんなにいい気持ちになれるんだ。お前をアルムによこしてくだすったのは、神さまのおぼしめしだったんだなあ」と言いました。

『ハイジ』のクライマックスは、足の不自由なクララがアルムにやってきて歩けるようになるシーンですね。ハイジだけでなく、心が変わったおじいさんの大きな助けによって、クララは歩けるようになったのでした。

山羊飼いペーターの、目の見えないおばあさん。おばあさんは実際には目が見えるようにはなりませんが、ハイジに賛美歌の歌詞を読んで聞かせてもらったときにこう言っています。「ああ、ハイジ、このことばは心を明るくしてくれる。心の目を見えるようにしてくれるよ。なんていい気持ちにしてくれたんだろうね、ハイジ!」心の目が見えるようになった!ハイジと会っているときのおばあさんは、心が高まって本当に嬉しそうです。神さまの恵みを見ることができるようになって、おばあさんは生き生きしています。

ハイジも、フランクフルトでアルムに帰りたくなってつらいときに、クララのおばあさまにお祈りの仕方を教わって、心を支えられていました。

このように登場人物たちが互いによい影響を及ぼしあって、皆それぞれに救いを得ています。目の見えない人が見えるようになり、足の不自由な人が歩き、気落ちしている人が心を高められている…。だから、この本はヨハンナ・シュピリによる福音書だなあ、と思ったのです。そして、こういうふうに私たちの身の回りでも、救いを味わい合えるといいなぁ、と思わされています。皆さまにもぜひ原作の『ハイジ』を再読されることをおすすめします。

さて、ペーターのおばあさんが「このことばは心を明るくしてくれる。心の目を見えるようにしてくれるよ」と喜んだ賛美歌は、どういう賛美歌だったのでしょうか。ハイジはこの賛美歌を「お日さまの歌」と呼んでいます。どんな賛美歌なんだろう、と手持ちのドイツ語の福音賛美歌を探してみると、449番にその歌がありました。残念ながら、日本の讃美歌集には見当たらないので、どうやって皆さまに紹介しよう?と悩みましたが、福音館書店から出ている『ハイジ』を訳された矢川澄子さんの訳を楽譜に当てはめてみると歌えそうだったので、少しぎこちない部分もありますが、録音してみました。

このような歌詞です。

金色の太陽は、喜び幸いに満ち、

輝きながら私たちにもたらす、

さわやかな心和む光を

私の目は仰ぎ見る、ほまれある神の御業を。

御力の強さ大きさを告げ知らせるために

神のなされたもうたもろもろの御業を

御救い・御恵みは欠けることなく、

耐え難いこの胸の痛みを癒し、

あらゆる悩みから守りたもう

十字架も苦しみもいつかは終わる。

逆巻く波も嵐も過ぎ去って

待ち望んだ太陽が照り輝く

あふれる喜びと清らかな静けさは、

天の園生でこそもたらされるだろう

憧れのその地へ、心は急ぐ

おばあさんが気に入ったのは「十字架も苦しみもいつかは終わる。…待ち望んだ太陽が照り輝く」という節です。「お日さまの歌」の「お日さま」とは、救い主イエスさまのことなのです。はじめにお読みしたとおりです。「闇は地を覆い、暗黒が国々を包んでいる。しかし、あなたの上には主が輝き出で、主の栄光があなたの上に現れる」。ペーターのおばあさんは心の目で、自分の上に輝くこの主の輝きを見ることができたのです。皆さんの上にも主が輝き出て、救いを与えてくださいます。それを心の目ではっきりと見ることができますように。

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