あなたが必要なのです

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聖書の言葉

だから、多くの部分があっても、一つの体なのです。目が手に向かって「お前は要らない」とは言えず、また、頭が足に向かって「お前たちは要らない」とも言えません。それどころか、体の中でほかよりも弱く見える部分が、かえって必要なのです。

新約聖書 コリントの信徒への手紙一 12章20~22節

吉田実によるメッセージ

今回も先週に引き続きまして、学校に行くことや、社会に出ることに難しさを感じていらっしゃる方々のことを覚えながらお話をさせていただきたいと思います。

そういう方々の悩みは決して特別な悩みではなくて、多かれ少なかれ、人間誰しもが心の底に持っている悩みだからです。引きこもりや不登校を経験なさった方々の多くは、対人関係に難しさを感じていらっしゃる方が多いようです。他人と接するということに強い恐れを感じてしまうのです。もしかすると、過去に人によって深く傷つけられたという経験を引きずっておられるのかもしれません。そして「自分は、対人関係がとても苦手だ」と思ってしまいます。けれども多くの場合、それは思い違いなのだそうです。

前回もお話いたしましたインターネットのサイトにはこういうアドバイスが書かれていました。たとえば、あなたが仕事上の大きなミスをしたとします。そういう時は上の人から叱られると思いますが、一生懸命やっているのに犯してしまうミスは方法の問題ですから、そういう場合に指導的な立場の人は「こうするのがよくない、もっとこうすればよい。」と、間違わないための方法を教えてくれるのが普通です。けれども、もしもそれ以上に、あなたの人格を傷つけるような叱り方をするなら、実はその人自身も何か精神的な問題を抱えている人なのであって、その自分の問題をあなたにぶつけているだけなのです。ですから、そういう体験を通して人付き合いが苦手になってしまった人は、人付き合いが苦手なのではなくて、自分を攻撃してくる人との付き合いが苦手なだけなのであって、対人関係すべてに苦手意識を持たなくて良い。そんな風に書かれていました。

なるほどなぁと思いました。そしてそういうことを知っていると、少し気が楽になるかもしれません。けれども、多くの人たちが何らかの問題を抱えながら、傷つけたり傷つけられたりしながら生きているわけで、普通に接してくれる人ばかりではありませんから、やはり人は時に傷つくのです。「あの人も何か問題を抱えて、僕に八つ当たりしているのだ。」と自分に言い聞かせても、そういう心の持ちようだけではどうしようもないことだってあるのです。そういう人との交わりの中で、たとえ傷つけられても、それで倒れてしまわない。深く傷ついてしまわないようにするにはどうすればよいのでしょうか。

それは、人のまなざしではなく、神様のまなざしの中に生きることです。人はとかく、能力や実績を比較しながら他人を評価します。能力が低い人よりも高い人の方が価値が高いように考えます。けれども、この世界を造り、私たちに命を与え、今日も生かしてくださっている神様のまなざしは違うのです。神様のまなざしは、ちょうど体の一つ一つの器官が皆それぞれ違った役割を担って、それぞれが大切であるように、様々な違いを持った私たち一人一人がそれぞれの役割を担っている大切な存在なのであって、むしろほかよりも弱く見える部分が、かえって必要なのだとみなしてくださる。そういうまなざしなのです。「自分の小ささ、弱さを感じているあなたが、傷つくことの痛みを知っているあなたが、かえって必要なのだ」とおっしゃってくださるのです。私たちはこの神様のまなざしの中で、自分を見つめ、他人を見つめたいのです。

そのインターネットのサイトの中に、引きこもりの体験されたある女性の方がご自身の体験を書いていらっしゃいました。その方は拒食と過食を繰り返す中、自殺未遂も何度か経験されたそうですけれども、そんな暗闇から出ることが出来た一つのきっかけは、ずっと前に描いた一枚のイラストを見てくれたあるお店の人が、わざわざその人を訪ねてくださって、「店のメニューのためにイラストを書いてもらえませんか?」と頼まれたことだったそうです。「こんな私でも、必要としてくれている人が一人でもいる」と思うと、そこから一筋の光が射してきたと書いていらっしゃいました。

「そんな人は私のところには来てくれない」と思われるかもしれません。けれども、御言葉を通して今、イエス様があなたを招いておられることに気付いていただきたいのです。この世界を愛によって完成させるために、自ら人となって傷つき、十字架の上で私たちのために命を捨ててくださったお方、イエス・キリストが呼んでおられる。「あなたが必要なのだ。あなたにしか出来ないことがあるからだ」と招いてくださっている、このイエス様の招きに是非気付いていただきたい。そして勇気を出して、一歩踏み出していただきたいのです。

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