道は必ずある

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聖書の言葉

イエスは言われた。「『心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』これが最も重要な第一の掟である。第二も、これと同じように重要である。『隣人を自分のように愛しなさい。』律法全体と預言者は、この二つの掟に基づいている。」

新約聖書 マタイによる福音書 22章37~40節

吉田実によるメッセージ

私は時々ですけれども、もう何年かこのようにしてラジオを通してお話をさせていただいています。そしてその度に「どういう方々がこの放送を聞いていてくださるのだろう。」と、心の中で想像します。日曜礼拝に行く前にこの番組を聞くことを習慣にしていて下さるクリスチャンの方もいらっしゃるでしょうし、クリスチャンではないけれども、聖書のお話に興味があるので聞いている、という方もいらっしゃるでしょうし、たまたまラジオをつけているだけという方もいらっしゃるでしょう。お元気な方もいらっしゃれば、もしかすると病の床に伏せておられる方もいらっしゃるのかもしれません。そして色んな悩み事を抱えておられる方々、もしかすると、今なかなか外に出て人に会う気持ちになれない。なかなか学校に行く気になれない。また社会に出て働きたいという気持ちはあっても、なかなか踏み出せない。そういう状況の中にある方々もいらっしゃるのかもしれません。今回は特に、そういう方々のことを覚えながら、お話をさせていただきたいと願っています。そういう方々の悩みは、そういう経験をしていらっしゃらない方々にとりましても決して無関係ではないからです。

先日インターネットで、そういう不登校やひきこもりの中にある方々に対して、実体験に基づいて色々と語りかけたり、またお互いが自分の体験を分かち合ったりするサイトを見て、いろんな方々の文章を読みました。その中で、こういうことを書いておられる方がいらっしゃいました。「引きこもりから抜け出せない原因は色々ありますが、一度レールから外れてしまって戻るべき場所が分からない、ということもあるのではないでしょうか。学校の場合でも職場の場合でも、みんなはちゃんと行って勉強や仕事をしているのに、そこに行けないで、今、自宅に引きこもっている自分はだめな存在だと思い込んでしまう。何とかしなければと思うけれども、あせるばかりで希望が見えてこない。絶望感だけがつのってゆく。そしてだんだんと、何もかも手遅れで、もう取り返しがつかなくて、自分の人生は悲惨だ。自分は何の価値もない、生きていても仕方ない人間だというような、惨めなイメージに打ちのめされてしまう。」と。

レールから外れてしまって戻れない自分という、とてもつらい自己理解の体験です。もしかするとラジオをお聞きの皆様の中にも、それに近い感覚を心に抱いて悩んでおられる方がいらっしゃるかもしれません。そういう方々に是非、聖書のメッセージを聞いていただきたいのです。聖書も、私たちの前にレールがあること。はるかかなたまで続く、私たちがその上を走るべき2本のレールがあることを教えてくれています。けれどもそのレールは、優秀な学校に入ることでも、有名企業に就職することでもありません。それは、『神様を愛し、人を愛する』という2本のレールなのです。聖書は、人の存在価値を、何かが出来るという能力や才能ではかるということをしません。人は神様がご自身の性質に似たものとして特別に造ってくださったから、そして人は皆、世界でただ一人の私だから、あなたがあなただから尊いのです。そして、そんな私たちが外れてはならない、その上を走るべきレールは、『神様を愛し、人を愛する』というレールなのです。人はこのレールの上を、それぞれの仕方で、それぞれの速さで走ってゆくのです。

もっとも、人はすぐにこのレールから外れてしまいます。自分勝手な方に行こうとして脱線してしまうのです。けれども、いくら自由を求めても、列車が線路から脱線したところに本当の自由は無いのです。そして神様は、そんなすぐに脱線しまう人間をこのレールの上に戻して、それぞれの人生の旅路を生き生きと走ることが出来るように、ご自身の独り子イエス・キリストの命を犠牲にしてくださいました。そういう意味では、あなたはたとえ今、学校に行けなくても、就職することが難しくても、それでレールから外れているのではありません。あなたはこの世界を造られた神様から、独り子の命と引き換えにしていただけるほど愛されている、大切なあなたなのです。このことが分かり始めるときに、あなたのための道が見えてくる。愛されているあなたが、愛されながら、愛しながら歩む道が、必ず見えてきます。あなたの人生は決して手遅れなんかじゃない。これから始まってゆくのです。

あなたの前に、道は必ずあります。

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