父親の眼差し

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聖書の言葉

あなたがたが知っているとおり、わたしたちは、父親がその子供に対するように、あなたがた一人一人に呼びかけて、神の御心にそって歩むように励まし、慰め、強く勧めたのでした。御自身の国と栄光にあずからせようと、神はあなたがたを招いておられます。

新約聖書 テサロニケの信徒への手紙一 2章11,12節

山中恵一によるメッセージ

先週に引き続き、今朝も、子育てパパの目線から、聖書のお話をお伝えしたいと思います。ウチの息子の誕生日は、9月なんですけど、このあいだは彼にスベリ台をプレゼントしました。プラスチック製で、高さは5,60cmほど。室内用のスベリ台です。プレゼントしてからというもの、毎日のように楽しんでいます。大人の感覚からするとスベリ台なんて、すぐ飽きるんじゃないか、とも思うんですが、色々な遊び方があるみたいです。ひっくり返して、またがったり、あえて滑らないで、上から、いつもよりも少しだけ高い視界を楽しんだり、本来の使い方である滑り方もいろいろです。座って足からってだけじゃないんですね。頭からいったり、うつぶせでずるずるっと滑ったり、豊富なバリエーションに感心しています。そこにあるもので、色々な楽しみ方ができる、そんな子供になって欲しいなぁと思います。

小さいスベリ台ですが、失敗することもよくあります。上から転げ落ちたり、滑り降りた勢いで何かにぶつかったり。そんな時は、「大丈夫!」と元気づけてあげます。思いのほか、びっくりしてしょげかえってしまうこともあります。そんな時は、「びっくりしたなぁ」と言って慰めてあげます。もっと面白いスベリ台の遊び方が思い浮かべば、新しい遊び方を勧めたりもします。親になって思うのは、親は子供の遊びにも寄り添って、子供がいっちょ前に遊べるようにサポートするもんなんだなぁ、ということです。

今日、開いた聖書は、使徒パウロの書いた手紙ですが、そこでは、すべり台遊びをサポートする父親と同じように、神様の思いに適う歩みをサポートする、そんなパウロの様子が伝えられていました。先週もお話ししましたが、基本、教会は、パウロの姿を見倣おうとします。ですので、今朝の聖書箇所に描かれている教会の姿。これは、今現在の私たちの教会が目指している教会の姿でもあるわけです。

どんなことが言われていたでしょうか?パウロはこのように言っていました。「わたしたちは、父親が子供に対するように、あなたがた一人一人に呼びかけた。」教会には、いろんな人たちが集まってきます。そして、礼拝では、聖書のお話しが、集まっている方々に向けてなされます。でも、それは、十把一絡げで、集団に向けて語っているんじゃないんですね。教会は、集まる人たち一人一人に関心があります。子供が数人いる父親が、子供と触れ合うときに、ちゃんと一人一人に関心をはらって、一人一人との関係を大切にするのと同じです。そうやって、一人一人呼びかけられた人達に、教会はこのようにするのだ、と言われていました。「神の御心にそって歩むよう、励まし、慰め、勧めた」教会が、父親のようにしてサポートするのは、神の御心にそって歩む、ことに対してです。神様の御心。それは何かというと、続きの箇所で、このように言われていました。「御自身の国と栄光に与らせようと、神はあなたがたを招いておられます。」神様の心、神様の思い。それは、神様の国。天国のすばらしさを皆さんに味わってもらう、ということなんですね。この天国を目指して人生を歩んで行くこと。これが、教会が、みなさんの力とならせて頂きたいことです。天国を目指した人生の歩み方。それは、一言でいえば、イエス・キリストを信じて、従う人生、ということです。もう少しいうと、イエス・キリストからのメッセージである聖書の言葉を信じて、従う人生のことです。この人生を歩むために、教会は、みなさんに父親のような語り口で、みなさんに接するんですね。すべり台を楽しめるように、励まし、慰め、勧めをする父親のように、です。

聖書に従う道のりで、上手くいかずに、失敗してしまう時、教会は「大丈夫!イケル、イケル!」と言って、あなたを元気づけます。聖書を信じようとしながらも、心がぐらつくような、びっくりするようなことを味わう時、手痛い思いをする時、難しさに行き詰ってしまう時、「びっくりしたね、あれは、痛かったねぇ、いやぁ、難しいよなぁ」と言って、教会はあなたの慰めになろうとします。今のあなたの歩み方よりも、さらに、すばらしい聖書の教える神様を目指す歩み方がれば、「もっと、こういうやり方があるよ」と言って、教会はお勧めをします。神様は、そのように教会を用いて、あなたが、聖書を信じて、天国への道のりを歩むことを願っておられるんですね。すべり台の楽しさを伝えようとする父親のように、神様は、教会をとおして、イエス・キリストを信じ従う人生が、楽しく、喜ばしいものである、と手取り足取り体験させてくださいます。ぜひ、教会と繋がりを持って頂いて、神様の思いを汲み取りながら生きていく、そのすばらしさを、ごいっしょに味わって、体験して頂きたいと思います。「この後、教会に来て、お前もやってごらんよ!」今朝、父親のような語り口で、神様は、あなたを招いておられます。

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