父親の眼差し

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聖書の言葉

だれでも、求める者は受け、探す者は見つけ、門をたたく者には開かれる。

新約聖書 ルカによる福音書 11章10節

山中恵一によるメッセージ

わたしの担当する放送回では、「父親の眼差し」というシリーズで、子育てに奮闘する父親の目線から、聖書のお話をお届けしています。

ウチの子ども2歳となって、いろいろと細かい所で、主張を前面に押し出すようになってきした。2歳になる前から始まっていましたが、食事にケチをつけるんですね。自分の食べたいものが食卓にないと、リクエストをするわけです。言葉はまだしゃべれないので、キッチンのほうを指さして眉毛をハの時にしながら、「あ~、あ~」と言って、食べたいのはこれじゃない、違うのを出せ!というわけです。他に食べるものがなければ、目の前のモノを食べさせるよりないのですが、うるさいからと言って、蛇が食卓に上がることはありません。さそりが、彼のお皿に載せられることもありません。何か、代わりになるようなものがある時には、妻が、代わりの食べ物を出してあげることがあります。でも、それは、愛する我が子のリクエストだからと言って、食べ物を差し替えるわけではないんですね。食事をしないと彼の健康が損なわれる。だから、しかたなく、彼の要求を呑むわけです。でも、いつでも、子供の健康のためといって、子どもの事を思いやる気持ちでいられるわけではありません。面倒くさい、イライラする、そうしたよくない気持ちも混ざりながら、それでも子どものためにと彼に必要な物を用意するんですね。

わたしたち人間が、健全に、健やかに生きるために必要な物は、「聖霊」である、と聖書は教えます。聖霊というのは、目に見えない神さまの霊、つまりは神様です。この聖霊なる神様は、目には見えないんですね。だけども、見えない所で、私たちのためにアレコレと働いてくださる御方です。天におられる父なる神様、子なる神様であるイエス様、その手足となってくださるのが聖霊です。そして、この聖霊は、私たちの思いを天国にいる神様と結び付けてくださる、とてつもない仕事をやってのけてくださる御方です。天国と地上のパイプ役。そんな御方です。

今朝お読みした聖書の箇所は、私たちが、神様に願い求めるときに、何が必要であるか、ということを教えているイエス様が語られたお話しです。神様に祈り求める、という行為は、おいしい思いがしたいと思って、子どもは食べ物をリクエストするのと通じるものがあるんですね。私たちが、毎日の生活のなかで、美味しい思い、いい思いをすることができるように、祈り、というとてもありがたいシステムがあるわけです。しかし、祈りというものは、何でもかんでも、自分が思った通りに実現するわけではありません。親が子供のリクエストを何でも叶えるわけではないのと似ています。親は、子供にとって、イイもの、与えても大丈夫なもの、こういものを選ぶんですね。体に悪いものは与えたくありません。頭に悪いものですけど。まぁ、子どもの成長に役立つもの、子どもをイイ状態にするものを選びます。

私たちの方では、今抱えている問題が解決されること、今向き合っている将来への希望が叶えられること、自分にはこれがないとやっていけない!と思うものを祈り求めます。聖書は、そのように、自分の必要を神様にお祈りすることはイイことである、と教えます。ただ、その時に、自分のあれやこれやを願う前に、聖霊を求めることが一番に大切だ、とイエス様は言われるんですね。私たちの祈りは、聖霊なる神様が、働きかけて、神様へと願いを届けてくださらなければ、ただの独り言です。地上を生きるわたし達の願いが、神様に届けられるためには、自分と天の神様との結びつきが必要です。聖霊を求めるとは、天の父なる神様、そして、天におられる救い主、イエス様との結びつきを求めるということです。神様は、私たちのリクエストに応えることを喜んでくださいます。それは、私たちの思いに応えることによって、わたしとあなたは繋がっている、ということを味わってほしいからなんですね。

子どもが食事のリクエストをするとき、親はその要求に、一番いいと考える仕方で応えようとします。そのやりとりのなかで、子どもが、親と自分の結びつきを深めることができたなら、これは、本当にすばらしいことだなぁ、と思います。神様へのリクエストもまた、みなさんと神様が、深く知りあっていくためのやりとりとなったらすばらしいなぁ、と思います。神様からのレスポンスは、必ずしもみなさんが、思っているような答えではないかもしれません。神様もまた、人間の親と同じように、私たちの祈りに対して、これが一番イイ、と思う仕方で、答えてくださいます。でも、間違っても、蛇やサソリのように、私たちが危険になるような嫌がらせをされることはありません。ご安心ください。

ぜひ、神様との関係を、祈りというやりとりのなかで深めて行って頂きたいと思います。そのために、もまずは、神様と自分を強く結び合わせてくださる、聖霊を祈り求める、ということを初めてみてください。私たちの父親となってくださる天の神様は、人間の親とは違い、与えるモノの選択を間違えることはありません。安心して、そして、信頼をして、祈りの日々を重ねて頂きたいと思います。

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