父親の眼差し

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聖書の言葉

わたしは思っていた。

「子らの中でも、お前には何をしようか。

お前に望ましい土地

あらゆる国の中で

最も麗しい地を継がせよう」と。

そして、思った。

「わが父と、お前はわたしを呼んでいる。

わたしから離れることはあるまい」と。

旧約聖書 エレミヤ書 3章19節

山中恵一によるメッセージ

いつもわたしの放送回では、「父親の眼差し」というシリーズでお話をさせてもらっています。子育てに奮闘する父親目線で感じ取った、聖書のメッセージをお届けしたいと思います。

さて、うちの息子も9月で2歳の誕生日を迎えました。2歳といえば、あれですね。世間一般で言われる魔の2歳というやつです。ウチの子どもも例外ではなく、親の要求に、「イヤ、イヤ」と抵抗を繰り返しています。やってほしいことをしない、だけでなくて、やらないでほしいこともよくします。子どもだからよく分からず、ってんじゃないんです。ニヤリと上目遣いで悪そうな顔をしながらいたずらをします。親の嫌がることで、心から楽しい気分になれる。魔の2歳児とはよく言ったものです。まぁ、そんなふうにしていれば、当然叱られます。すると、親の真剣な顔に気付いて、バツが悪くなって、遊び場となっているリビングから、寝室にしている和室へと逃げ去って行きます。ウチの息子を見て「人間ってのは、生まれながらに悪い性分を持っているんだなぁ」と考えさせられます。

妻は、よく、そんな息子を見ながら、「子どもだと、悪戯も可愛く思えるのに、何でだろうね」と言いながら私をチラッと見ることがあります。子どもの悪さというのは、可愛いものと受け止められるけれど、私みたいなオジサンのする悪さは、そうはいかないんですね。大人の持つ悪い性分というのは、気分がわるくなるような類いの悪さではないでしょうか?自分の事を考えてみても、一日にどんな悪いことをしたか、行動には移さなくてもどんな悪い気持ちを抱えていたか?そのことを思うと残念な気持ちになります。聖書は、人間は生まれながらに、神様が嫌がられるようなことをする悪い性分を持つ、と教えています。神さまが私たちを見るならば、うちの息子と同じように、神様が求めるような生き方に反抗し、これは正しくないことである、とわかりながらも、そこに没頭して、そして、自分の悪さに気が付くと、そのことを追及されないように、どこかに逃げて隠れようとする。そうした、悪さが、私たち人間にはあるんですね。

お読みした聖書には、かつて、旧約聖書の時代、神様が特別な思いで愛されたイスラエル民族が、神様から離れ去ってしまった、ということが言われていました。「神様が、世界中の民族の中から、我が子のように、特別に面倒を見て、イイモノをたくさん与えてきたイスラエル。彼らもまた、神である自分の事を父と呼んで慕っている。彼らが離れて行くわけがない。」しかし、この神様の期待を裏切って、イスラエルの人たちは、神様が嫌がられることを積み重ねていきました。子どもが悪いことを夢中で楽しむように、楽しく、ハッピーな気持ちで、よくないこと、正しくないことに夢中になっていたんですね。そして、ついには、自分達の神は、自分達で選ぶといって、聖書の神さまとは違う、作り物の神々を拝むようになりました。子どものために真心で尽くしてきた親が、悪いことに夢中になる子供から、自分たちの父親はお前じゃない!と言われるようなものです。このために、旧約聖書のイスラエルは神様から厳しい罰を受け、大国によって国が滅ぶという悲惨な思いをしました。痛い目に遭った彼らの嘆き声は、閑散とした山に響き渡りました。親に叱られて、部屋に引っ込んでなきじゃくる子どものようにです。このイスラエルの人たち。悪いことに夢中になって、その結果、痛い思いをして、その痛さに泣きじゃくる人々に、神様は言うんですね。「背信の子らよ、立ち帰れ。」自業自得で痛い目に遭い、後ろめたさを抱えながら、嘆いている人に、神様はわたしところに戻って来い!と言われます。それは、泣く子をさらに叱り飛ばすためではありません。神様は言われました。「わたしは、背いたお前たちをいやす」。神様から離れ去り痛い目に遭った人に、神様は、癒す、と言われます。「癒す」というのは、回復する、修復するということです。神様から離れた生き方をして、神様から離れ去ってしまった心を、神様は修復してくださいます。神様は、私たちと神様の壊れてしまった関係を回復して、子どもが親からの愛を存分に味わうそんな仲睦まじい関係を取り戻したいんですね。

自分の心の悪さ、醜くさ、よくない生活。こうした点で悩む方の話を耳にします。そうした方は、後ろめたさから、神様と向い合うことを恐ろしく思うかもしれません。聖書の神様は、悪いことをした者達を叱るためにではなく赦すために、そして癒すためにあなたを自分のもとへと呼び出そうとされる御方です。ぜひ勇気をもって神様に向かって行ってほしいと思います。あなたに愛を届けたいと願っている神様が、そこにはおられます。「わたしから離れた、悪い世界、悪い生活、悪い心によって、傷を受け、痛み苦しむ者達よ!その傷をわたしはいやすことができる、だから、ここに、お前を愛する私のもとに帰って来い!」ぜひ、あなたの父となってくださるこの神様へと思いを向けてみてください。

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