良い羊飼い、イエス・キリスト

今朝もイエス・キリストが、御自分のことを「エゴ・エイミ」、「私は～である」という言い方で、紹介された箇所からお話しします。「エゴ・エイミ」は、旧約聖書で、神様がモーセに名前を尋ねられたときに用いた言い方です。この言い方を用いて、イエス・キリストは、「わたしは（全ての存在に先立って存在する者であり、）良い羊飼いである。良い羊飼いは羊のために命を捨てる。」と語られます。

ここで用いられている「良い」という言葉は、善悪の「善」という意味ではなく、むしろ魅力的な、美しい、麗しいという意味です。イエス・キリストは麗しい、魅力的な羊飼いなのです。そしてそのイエス・キリストは、「羊のために命を捨てる」と語っておられます。

昔、イスラエルでは羊を野宿させる際に、山腹にある、簡易な囲いの中に羊を入れて、夜を過ごしました。その囲いには、通常扉がなく、野獣から羊を守るためには、羊飼い自身が、門のところに身を横たえて、羊を守ったそうです。文字通り、羊飼いは、命を賭けて、羊を守るのです。イエス・キリストは、この日常の光景を用いて、御自身こそが、神の救い主、良い羊飼いであると語られたのです。罪と悪魔の支配から、私達を守り、救うために、イエス・キリスト御自身が、命を捨てると語っておられます。

命を捨てるの「捨てる」とは、「献げる」、「危険にさらす」また、「命を賭ける」という意味です。また、ここで用いられている「命」という言葉は、精神、魂、そして身体的肉体的な命を指す言葉です。つまり、イエス・キリストは、御自身の精神と魂、そして肉体的な命を危険にさらし、命を賭けて、私達を守る、と語っておられるのです。

実際、イエス・キリストは、私達の身代わりに、十字架に御自身を奉げて下さいました。イエス・キリストは、私達の罪のため、父なる神様から呪われ、聖なる怒りを受けてくださったのです。私達の罪なのに、イエス・キリストがその身に、私達の罪の罰と呪いをお引き受け下さったのです。

わたしは良い羊飼いである。わたしは自分の羊を知っており、羊もわたしを知っている。

イエス・キリストは、良い羊飼いとして、私達を知っておられます。私達が何を考え、何を悩み、何に苦しみ、どのような状態にあるのか、イエス・キリストは全て知っておられます。あなたから目を離さずに、ずっと見つめておられます。

イエス・キリストがあなたを知っておられる知り方は、父なる神様が、御子イエス・キリストを知っておられる知り方と同じだ、と聖書は記しています。つまり、完全な愛と慈しみの眼差しで、心から愛し、理解し、支えようとして、愛において知っておられるのです。なにも恐れる必要はないのです。このお方に信頼するなら、永遠の救いへと、導いて下さいます。

イエス・キリストは、このようにも語っておられると、聖書は記しています。「わたしは命を、再び受けるために、捨てる。それゆえ、父はわたしを愛してくださる。だれもわたしから命を奪い取ることはできない。わたしは自分でそれを捨てる。」

これは、イエス・キリストが、命を再び受けるため、自分から命を捨てられる、という意味です。再び受けるということは、本当に、イエス・キリストは一度死なれた、ということです。しかし、そのようにして、罪人である私達のために、御自身の命を捨てられたからこそ、父なる神様は、御子イエス・キリストを一層愛されたのです。

旧約聖書イザヤ書５３章には、イエス・キリストの御受難に関する預言が、記されています。そこには、このような文章があります。「彼は自らの苦しみの実りを見、それを知って満足する。わたしの僕は、多くの人が正しい者とされるために、彼らの罪を自ら負った。」イエス・キリストは、御自身の苦しみの実りを見て、満足されるというのです。その実りとは何でしょうか。それは、イエス・キリストの下に来て、罪を赦され、救われる、人間のことです。父なる神様の僕である御子、イエス・キリストは、多くの人が神様の御前に、罪を赦されて、正しい者と見做されるために、彼らの罪を、自ら負われたというのです。

人間の目には、極悪人の処刑のように見えた、恐ろしい十字架刑は、父なる神様が、イエス・キリストによって、私達を、永遠に御自身のものとして獲得する方法だったのです。あなたの罪も、イエス・キリストの下に来るなら、イエス・キリストの十字架の死という完全な献げ物によって、帳消しにされます。そして、イエス・キリストを通して、あなたは永遠の命を受ける者とされるでしょう。神の御子、イエス・キリストの十字架の死こそ、私達人間に対する、神の完全な愛の現れ、神の救いの道、神の栄光の現れです。

このイエス・キリストは、あなたの罪を完全に赦し、あなたを永遠の命にあずからせることのできる御方です。イエス・キリストの下に来て下さい。このお方は、あなたの罪を赦し、永遠の豊かな命にあずからせて下さいます。