命のパン、イエス・キリスト

もう一年ほど前になりますが、前回ラジオでお話しした時に、イエス・キリストが「エゴ・エイミ」、「私は～である」という言い方で、自己紹介された箇所を取り上げました。今朝もその一つ、「わたしは命のパンである」という箇所から、お話ししたいと思います。

「エゴ・エイミ」という言い方は、旧約聖書で神様が、御自身を顕された時に用いられた言い方です。「私は、全ての存在に先立って存在する者です」ということを意味します。それをイエス・キリストは用いて、「私は、全ての存在に先立って存在する者であり、そのわたしが命のパンである。」と語っておられるのです。

パンとは何でしょうか。ここで出て来るパンとは、人間が毎日必ず食べなくてはならない主食を指しています。もちろん、ここでは、私達が毎日口にする「食べ物」のことが、語られているのではありません。ここでは、人間の心を真に満たし、満足させ、生かす、そのような「命のパン」のことが、扱われているのです。

人間は、皆、神様に似せて、神様のかたちにかたどって造られています。だから、人間は、とても尊い存在で、特別な存在です。神様が精魂込めて、御自身のかたちに似せて、造って下さったからです。そのような神様の作品である、私達の心には、神様以外、誰も満たすことのできない空洞が存在しています。それは、神様が私達を造られた時に、御自身の霊を吹き込まれ、人間が生きる者となったからです。神様だけが満たすことができ、神様以外の何ものによっても、満たされない、そのような空洞です。私達は、無意識に、色々な物、刺激的な経験、また人間関係等によって、その空洞を満たそうとします。しかし、その空洞は、生ける真の神様との交わり以外によっては、満たされません。だから、私達はいつも心が飢え渇くのです。しかし、神様との交わりが回復すれば、私達は本当の命に満たされます。

真の命を失った私達に対して、イエス・キリストは「わたしが命のパンである。」と言われます。「わたしのもとに来る者は決して飢えることがなく、わたしを信じる者は決して渇くことがない。」と。

イエス・キリストは、私達と父なる神様との間を、執り成して下さるお方です。私達と神様との、完全な和解を実現されるために、世に来られました。御自身を見て、信じる人が、全て、永遠の命を得るために、御自身を十字架に掛け、なだめの供え物となって下さいました。私やあなたの罪のために、十字架において、私達の罪の罰と呪いを、全て引き受けて下さったのです。イエス・キリストの身代わりのおかげで、私達の罪は赦されます。神様との和解を手に入れ、神様との交わりが回復できるのです。父なる神様は、イエス・キリストを通して、私達を受け入れ、赦し、永遠の御国に迎え入れて下さいます。だから、イエス・キリストは「わたしのもとに来る者は決して飢えることがなく、わたしを信じる者は決して渇くことがない。」と言われているのです。

さらに、「わたしのもとに来る人を、わたしは決して追い出さない。」とも語られています。「決して…追い出さない」というのは、「投げ出さない」、「滅びに突き落としたりしない」という意味で、強い表現で書いてあります。言い換えるなら、「わたしは、私のもとに来る人を、天国から締め出すことを、絶対にしません」と言っておられることになります。

私達人間には罪があり、その罪のゆえに、私達と神様の間には、隔ての壁があります。しかし、救い主、イエス・キリストは、御自身を通して、私達の罪が完全に赦される道を、切り開かれました。イエス・キリストは、御自身を通して、私達を完全に救うことがおできになるのです。あなたも、イエス・キリストを通して、神様のとの完全な和解を得ることができます。だから、イエス・キリストは、「わたしのところに来る人を、わたしは決して追い出さない。」と語っておられるのです。

聖書はまた、「わたしの父の御心は、子を見て信じる者が皆永遠の命を得ることであり、わたしがその人を終わりの日に、復活させることだからである。」と記しています。つまり、父なる神様の御心は、全ての人がイエス・キリストを信じて、永遠の命を得ることである、と語っているのです。

どうぞ、今日、このイエス・キリストの下に来てください。イエス・キリストは、「わたしのところにくる人を、決して追い出さない」と、約束しておられます。また、父なる神様も、あなたがイエス・キリストを信じ、永遠の命を得ることを望んでおられるのです。