聖書、わたしの魂を生き返らせる

先週は「神の働きは時間と空間を超越する」という言葉によって、私が聖書を神様の御言葉として信じることができるようになった、という話をしました。今朝は、この神様の御言葉である聖書が、私の魂をどのように生き返らせたかについて紹介させていただきたいと思います。

今朝の御言葉であるコリント信徒への手紙を書いたパウロは、トゲのような弱さを持っていました。ある人たちは、パウロのノゲは一つの特別な病であったと言い、ある人たちは、福音を宣べ伝えるため受けた、ありとあらゆる種類の試練が、パウロのトゲだったと語ります。パウロのトゲが、具体的にどんなことであったのか、正確に知ることはできませんが、トゲが刺さると、そこまで大きな痛みはないけれども、ちくちくしてずっと気になります。トケは早く抜き出したいですね。それで、パウロは神様に自分のトゲのような弱さをさらせてくださいと切に祈り求めました。ところが、このようなパウロの祈りに対する神様の答えはなんと「わたしの恵みはあなたに十分である」ということでした。トゲがなければ、弱さがなければ、すっきりして、さらに仕事が出来るはずなのに、トゲを去らせてくださいというパウロの願いに対して、神様は「私の恵みはあなたに十分である」と語られたのです。

実は、私もたくさんのトゲを持っていますが、その中、最もちくちくして痛いトゲがあります。それは、「日本語というトゲ」です。私は神戸の板宿にある板宿教会で５年間、伝道師として働いていますが、板宿教会で働き始めて一年経った時、日本語で説教することにすごくプレッシャーを受けていました。つたない日本語で説教をするということが、いつも私を苦しめました。説教が終わったら、説教の内容はもちろんのこと、日本語のことで自分を責めました。何よりも下手な私の日本語を忍耐強く聞いてくださる信徒の方々に大変大きな迷惑をかけていると思っていたのです。そのストレスが段々大きくなってしまい、髪の毛が抜けたり、眠れなくなったり、目眩を起こしたりしました。もう日本での働きをやめようと思っていたのです。しかし、その時、神様は「わたしの恵みはあなたに十分である」という御言葉を思い起こさせてくださいました。私は「神様、そんなことないです。十分であるなんて何をおっしゃっているのでしょうか」と言い返しました。下手な日本語が私においてまさに大きな「トゲ」となっていて、主の働きのため取り払うべき「弱さ」なのに、神様は「わたしの恵みはあなたに十分である。力は弱さの中でこそ十分に発揮されるのだ」と語られたのです。しかし、神様はこの御言葉によって、私の魂を生き返らせてくださいました。

今、考えてみますと、私が日本語であんなに苦しんだのは、人々から褒めてもらうため、認めてもらうためだったと思います。立派で割れることのない完璧な金の器のように輝きたかったのですね。けれども、神様が望んでおられたことは、私が完璧になることではありませんでした。もし、神様が私たちに立派で完璧なことを求めておられるのなら、最初から私たちに主の働きを任せられないでしょう。なぜなら、神様がすべてをなさることほど、完璧なことはないからです。それなのに、神様が割れやすい土の器のような私たちを御自身のパートナーとして選んでくださり、主の働きを任せてくださる理由は、私たちの弱さを通して、神の力を十分に発揮されるためです。

宝を金の器に納めると器が宝よりもっと輝き、宝が十分に輝けません。それが、器の輝きか宝の輝きか見分けることができないのです。しかし、宝を綺麗な土の器に納めると、宝は十分に輝きます。完全に輝くことが出来ます。同じく、私たちが輝きすぎると、強すぎると、神様の力が十分に発揮されません。ですから、神様はすぐひびが入ってしまう弱い土の器のような私たちを用いてくださいます。だからこそ、神様は「わたしの恵みはあなたに十分である。力は弱さの中でこそ十分に発揮されるのだ」と語られるのです。

こうして、苦難の中にいた時「わたしの恵みはあなたに十分である」という、この聖書の言葉によって、私の魂は生き返らせられ、心も体も元気になりました。その後から日本語に対するストレスは大分無くなりました。もちろん、日本語で語っている今も相変わらず緊張はしてしまいますが、しかし、私の弱さを通して、神の力が十分に発揮されることを信じつつ、ただ、神の恵みを求めるばかりです。このように、私は人生の山に会うたびに聖書の言葉によって立ち上がりました。神様は御言葉を持って私たちの魂を生き返らせてくださいます。どうぞ、皆様も、聖書の言葉に耳を傾けてみませんか。必ず神様が御声を聞かせてくださり、あなたの魂を生き返らせてくださいます。