世界で最初のXmas

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聖書の言葉

その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。天使は言った。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」

新約聖書 ルカによる福音書 2章8~12節

田村英典によるメッセージ

お早うございます。今日はクリスマスですね。ところで、世界で最初のクリスマスはどんなものだったのでしょう。興味深いですね。

今から2千年以上も昔で、ユダヤのベツレヘムという場所でした。神の御子イエスがお生れになったその夜、野原で羊飼いたちが夜通し羊の群れの番をしていました。夜も更け、辺りは静まり、羊飼いたちも疲れが出て、眠りについていたことでしょう。

が突然、天使が近づき、主の栄光が周りを照らしました!羊飼いたちは、心臓が止まりそうな位、怖かったと思います。

しかし、天使の告げたことは、素晴らしいニュースでした!「恐れるな。私は、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなた方のために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。」

何と、神様が旧約聖書の時代からずっと約束しておられた全世界の救い主が誕生されたというのです。生れたばかりの救い主は「布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている」という点まで教えてくれました。

羊飼いたちは急いでベツレヘムへ行き、マリアとヨセフ、また飼い葉桶に寝かせてある乳飲み子イエスを見つけました。どんなに嬉しかったことでしょう!

注目したいは、幼子イエスに世界で初めてお会いしたのが、羊飼いたちだったことです。

羊飼いというと、私たちは少しロマンティックなイメージを抱くかも知れませんが、昔のユダヤでは全くそうではありませんでした。動物が相手という仕事柄、いつも神礼拝に行けるわけではなく、靴も服も汚れ、羊の臭いが体中に染みついていました。そういったことで、彼らは社会で最底辺の人と思われていました。彼らは神を信じていましたが、自分たちを信仰の薄い駄目な人間なんだと卑下していたかも知れません。

でも、神様が全世界の救い主イエスの誕生を真先に知らせ、御子イエスに会うことを許されたのは、そんな彼らでした!エリートだった祭司や宗教の専門家や高い地位にあった人たちでもありません。ここに神の御心の一端が示されていると思います。

のちにⅠコリント1:26~29はこう述べています。「兄弟たち、あなた方が召された時のことを、思い起こしてみなさい。人間的に見て知恵のある者が多かった訳ではなく、能力のある者や、家柄のよい者が多かった訳でもありません。ところが、神は知恵ある者に恥をかかせるため、世の無学な者を選び、力ある者に恥をかかせるため、世の無力な者を選ばれました。また、神は地位のある者を無力な者とするため、世の無に等しい者、身分の卑しい者や見下げられている者を選ばれたのです。それは、誰一人、神の前で誇ることがないようにするためです。」

神様の素晴らしい救いの恵みと祝福に与れるのは、自分を一角の者と考え、驕り高ぶる人ではありません。心の悔い砕けた謙った人なのです。後にイエスは言われました。マタイ5:3「心の貧しい人々は、幸いである。天の国はその人たちのものである。」

もう一つ注目したいのは、この最初のクリスマスの様子です。羊飼いたちはベツレヘムへ急ぎました。しかし、宿はいっぱいで、生れたばかりの幼子イエスは、汚い家畜小屋の飼い葉桶に寝かされていたのです。何とひどい所でしょう。でも、ここが世界で最初にクリスマスが祝われる場所になりました!ここにも神の御心が示されていると思います。

ここには、どんな演出も、派手なアトラクションも、騒々しさもありません。

静かな夜でした。羊飼いたちが息せき切って駆け付けたその場所には、マリアとヨセフ、そして飼い葉桶の中で静かに眠る乳飲み子イエスがおられました。もしや、馬や牛も目を覚まし、興味深げに乳飲み子イエスとマリアとヨセフの三人の聖家族を見守っていたかも知れません。

ここには、きらびやかなものは何一つありません。家畜を飼う所ですから、貧しくて質素です。しかし、静かで、穏やかで、温かい聖さがありました。救い主の幼子イエスを見つめ、神様のなさった素晴らしい御業(みわざ)を思い巡らし、驚き、感動し、感謝する喜びが満ちているからです。これが世界で最初のクリスマスでした。

全世界の救い主、神の御子イエス・キリストのご降誕を覚え、祝い、喜ぶクリスマス!でも神様は、何より神と人の前で本当に自分の小ささ、罪深さ、不信仰、愛の欠けを嘆き悲しむ、悔い砕けた魂を喜ばれます。

また派手な演出などではなく、質素で、でも神の下さった永遠の救い主イエス・キリストという最高の贈り物に感謝し、ひたすら喜ぶ真実な礼拝をこそ、神は喜ばれます。

今日は世界中の教会でクリスマス礼拝が行われます。是非、教会の真実なクリスマスを味わって下さい。

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