産業廃棄物

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聖書の言葉

わたしの目にあなたは価高く、貴く、わたしはあなたを愛し、あなたの身代わりとして人を与え、国々をあなたの魂の代わりとする。

旧約聖書 イザヤ書 43章4節

石川ヨナによるメッセージ

ラジオキリストへの時間をお聞きの皆様こんにちは石川ヨナです。

今日はこのような場を与えて頂いた事を本当に感謝します。

以前も一度出演させていただきましたが、その時は自分の書いた本の事でお話をさせていただきました。

今日は音楽活動の事でお話をさせていただきたいと思います。

2013年からソロで音楽活動を再開しまして、ギター弾き語りでロックミュージシャンとして地元横浜、横須賀、都内のライブハウスやバーなどでLIVE活動をさせていただいています。

今日は今年2月に発表した石川ヨナ初のミニアルバム「産業廃棄物」から、アルバムタイトルにもなっている曲、産業廃棄物をお送りしたいと思っています。

この曲はずっと昔に書き始めた詩がつい最近になってできあがり、完成したというちょっと変わった出来上がり方をした作品です。

詩を書き始めた当時は、精神的な病で家に引きこもっていました。

無気力と倦怠感で本当に何も出来ず薬を飲んで横になっているときに、自分は産業社会のゴミだなと頭に浮かびました。

自分なりに一生懸命、社会に適応しようと、周りに合わせて頑張ったけれど、結局疲れ果てて病気になってしまいました。

社会が私に求めていることと、本当の自分自身には大きなズレがあったからです。

自分を押し殺して、本当の気持ちや考え、本当の願いを押し込めて、役に立つ明るく元気で当たり障りの無い人間を演じなければ、自分が存在出来ないと気付いた時、自分にはこの世界に居場所がないと感じて愕然としました。

病気になってただ横になっているだけの自分、生産性の欠片もない自分、社会的な価値の何も無い自分は、産業社会のゴミだと感じて「あたしは産業廃棄物」という悲しい詩を書いてしまっていました。

たくさんの人が様々な励ましの言葉をかけてくれましたが、もう一度この社会に関わろうという気力はどうしても湧いてきませんでした。

その当時、私はクリスチャンでしたが、多くの励まして下さるクリスチャンの方々の中に、キリストは居るのだろうと思い込んでいました。

ゆっくり休んでね、とか、人生には休む時も必要だよ、とか、そんな言葉さえも、やがて元気にならなければならないという期待を含んでいて、苦しく感じられました。

キリストもきっと自分に、しっかりしなさいと、起き上がってもう一度希望を持って歩いて行きなさいと、そう励まして居るのだろうと思っていました。

でも私は、もう、これ以上は無理です。ごめんなさい、もう立ち上がることが出来ません、どうかもうこのまま楽にさせてくださいと心の中で叫ぶようにして、うずくまっていました。

ところがある日、気付きました。キリストは私を励まして立ち直らせようとしてはいませんでした。ただ傍で、一緒に泣いていて下さったのです。

一人の人間を、ここまで追い詰めてしまうこの社会の闇を、人間を、数字で測り生産性だけで評価するような世界を、そして私の中にある深い問題を、心から悲しみ、私の傍で一緒に泣いていて下さいました。

その事に気付いた時、私の中で何かが変わりました。

本当の自分、そのままの自分を、分かってくれる人がいる。

一緒に泣いてくれる人がいる。

今でも、つまづくことはあるし、苦しい時もあるけれど、そのことを思い出すと勇気が湧いてきます。

そんな思いを歌にしました。

石川ヨナ、「産業廃棄物」どうぞお聞きください。

♪「産業廃棄物」

あたしは産業廃棄物

ときどき誰かが

まだ使えるんじゃないかって探しに来る

大きな産業社会に

飲み込まれてもみくちゃにされて

力尽きてこうしてここにうずくまってる

やり直せる気力なんかもう

どうしたって湧いてこなくて

焼却炉を目の前にして

もう覚悟も決めた

その時あの人が

ボロボロのあたしを大事そうに

まるで宝物みたいに抱え上げて

一緒に悲しんで

泣いてくれた

あたしは産業廃棄物

ときどき誰かが

不思議そうに「どうして?」なんて

のぞきにくる

大きな産業社会に

お別れをして

リサイクルされて

ピッカピカになって

もう一度歩き出してる

もしあなたが

同じように傷付いて

打ちのめされてても

信じるなら求めるなら

全てを明け渡すなら

必ずあの人は

ボロボロのあなたを

大切に

まるで宝物みたいに守り抜いて

一緒に歩いてくれるはずよ

信じるなら求めるなら

全てを明け渡すなら

必ずあの人は

ボロボロのあなたを大切に

まるで宝物みたいに抱え上げて

一緒に歩いてくれるはずよ

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