どこに行っても共にいる神

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聖書の言葉

わたしは、強く雄々しくあれと命じたではないか。うろたえてはならない。おののいてはならない。あなたがどこに行ってもあなたの神、主は共にいる。」

旧約聖書 ヨシュア記 1章9節

金原義信によるメッセージ

4月の最初の日曜日を迎えました。4月には学校や多くの職場で新しい年度を迎えます。新しい学校や職場に入る方もおられることでしょう。これまで慣れ親しんだ生活に区切りをつけ、友達と別れ、新しい生活を始める方もおられると思います。新しい出発への期待と不安の入り混じった気持ちでいる方もおられるのではないでしょうか。私も何度か引越しを経験しました。これからうまくやっていけるだろうか、子どもたちは新しい学校になじむだろうか、そんな心配をしたことを思い出しています。私はこの4月からは特に新しい生活を始めるわけではありません。でも春を迎えて新しい節目の季節、ということで、これからの自分の歩みはどうだろうかと考えずにはいられない気持ちでいます。

さきほどお読みした聖書の言葉は、節目を迎えて新しい働きに就くヨシュアという人に、神様がお告げになった言葉です。聖書には、神様がイスラエルの民を、エジプトの奴隷状態から解放して40年の荒野の旅路を経て、カナンという場所へ導いて行かれたことが記されています。この荒野の旅路でリーダーだったモーセはカナンに入る前にその生涯を終えます。そして新しい指導者に任命されたのがヨシュアでした。

これまでモーセに忠実に仕えてきたヨシュアでしたが、そのモーセが死んで、心細かったのではないかと思います。今までは偉大な指導者モーセについていけばよかったのです。ところが今度は自分が皆を率いていくことになります。これまで頼りにしてきた人がいなくなり、これからは自分で考え、判断してみんなを率いていかなければなりません。しかもこれから入っていく土地は自分が知らない土地です。勝手がわからない場所です。そこにいる人たちとの衝突も乗り越えていかなければなりません。

これまでとこれからとでは、その生活、務め、責任の重さはぜんぜん違います。この違いをどうやって乗り越えることが出来るのでしょうか。指導者としてやっていけるだろうか?自分にそんな指導力はあるのだろうか?みんなはついてきてくれるだろうか?・・・数え上げればきりがないでしょう。

そんな彼に神様はこう約束されました。「一生の間、あなたの行く手に立ちはだかる者はないであろう。わたしはモーセと共にいたように、あなたと共にいる。あなたを見放すことも、見捨てることもない」。

これからヨシュアは自分が持っている能力を駆使して、与えられた仕事をしていくことになるでしょう。でも一体どれくらいの能力が必要なのでしょうか、どれくらいの指導力や手腕があれば大丈夫なのでしょうか。この疑問に対する答えは先ほどの神様の言葉にあります。ヨシュアの能力がどれくらいなら大丈夫、ということではありません。大切なのは神様が大丈夫だと約束して下さることなのです。

モーセが偉大な指導者だったのも、神様が一緒にいて下さったからです。「そのように、あなたとともにいる」、と神は言われるのです。神が、あなたを見放すことも見捨てることもないのです。

4月からの歩み、春からの歩み、私たちもヨシュアと同様に、この神様の約束を自分に向けられた言葉として受けとってみませんか。これからの生活、うまくいくときもあるでしょうし、そうでないときもあるでしょう。自分の能力の限界を思い知らされたり、疲れを覚えたりすることもありましょう。けれどもイスラエルをエジプトの奴隷の苦しみから救い出した神様が共にいて下さいます。イスラエルの苦しみ・叫びを聞き、顧み、助け出し、荒野の旅を導いてこられた神様が、あなたの神でもあられるのです。

これから何が起こり、何をしなければならないか、どんな場所でどんな人と出会うのか・・・まだ私たちにはわからないことがたくさんあります。でも大切なのは「あなたがどこに行ってもあなたの神、主は共にいる」と神様が約束して下さっていることです。

神様はヨシュアに、神様の言葉を忠実に守り、右にも左にもそれてはならない、とおっしゃいました。私たちが生きる社会には、いろんな考え方や生き方があります。いろんな人がいろんな事を言っています。いったい誰の言うことを信じたらよいのでしょうか。迷ってしまいませんか。聖書は、神様をしっかり見つめて生きるとき、確かな道、神に導かれ永遠の命に至る道を生きることが出来ると約束しています。

だから、びくびくおびえなくてもよいのです。むしろ、強く、雄々しく人生を前に進むことが出来るのです。

お祈りします。天の神様、あなたは私たちがどこへ行っても一緒にいて下さると約束して下さっています。この約束を信じて確かな道を、これから歩んでいくように私たちをお導き下さい。

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