交わりの恵みをあなたに

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聖書の言葉

わたしたちが見、また聞いたことを、あなたがたにも伝えるのは、あなたがたもわたしたちとの交わりを持つようになるためです。わたしたちの交わりは、御父と御子イエス・キリストとの交わりです。わたしたちがこれらのことを書くのは、わたしたちの喜びが満ちあふれるようになるためです。

新約聖書 ヨハネの手紙一 1章3~4節

弓矢健児によるメッセージ

みなさんは「交わり」という言葉を聞いたことがありますか。教会では、この「交わり」という言葉をよく使います。クリスチャン同士、心を通わせること、神様からの恵みや愛を分かち合うこと、そして愛し合い、助け合うこと、それを「交わり」という言葉で表現します。イエス・キリストを信じて、クリスチャンになるということは、そういう交わりの中で共に生きる者となるということです。

本日の聖書の箇所でヨハネは、自分たちがイエス・キリストのことを伝えるのは、世の人々みんなが、自分たちとの交わりを持つようになるためであると語っています。そして、みんながその交わりの中で、神の愛を分かち合い、互いに愛し合う時、わたしたちの喜びが満ちあふれるようになると語っているのです。

わたしが今、この放送を聞いておられるあなたに聖書の言葉を語っているのも、そのためです。あなたにもこの交わりの中に入って欲しいのです。この交わりの中で神の愛を、恵みを、永遠の命を分かち合って欲しいのです。

以前、あるTVの番組で「無縁社会ニッポン」という特集が放送されました。「無縁」とは誰とも縁がないこと、関わりがないことを意味します。今日本では、家族との絆を失い、失業によって社会との絆も失い、一人で生きている人が急速に増えています。他者との交わりを失い、孤独の中で生きている人がとても増えています。番組の中で、そうした状況にある50歳代の男性のインタビューがありました。その方はインタビューの中で次のようにおっしゃいました。

「誰とも関わりが無くなって生きていると、自分の存在が実感できなくなってくる。自分が存在していないように感じる。」

わたしはこの方の言葉を聞いていて、とてもショックでした。人との交わりを失うということは、単にさびしいとか、孤独だ、というだけでなく、自分という存在さえも失わせる悲劇だということを改めて思わされたからです。

聖書の一番初めに「創世記」という物語があります。そこを見ると、神は人間を「神にかたどって創造された。男と女に創造された」(創世記1章27節)、とあります。人間は一人で生きる存在ではなく、神との交わりの関係、人との交わりの関係の中で生きる存在であるということです。だからこそ人間は、他者との関係の中でこそ、初めて自分を実感できる、自分の存在を確認できるのです。逆に、もし誰とも関わりが無くなってしまうならば、それは自分という存在そのものを否定することになってしまうのです。

過酷な競争社会の現実、失業や貧困、格差、家庭崩壊・・・今の社会には本当に様々な問題があります。その一つ一つが深刻な問題です。そういった社会の闇が「無縁社会ニッポン」と呼ばれるような悲劇を生み出しているのだと思います。

けれども聖書は、さらに、その闇の奥にある問題を指摘します。それが人間の罪の問題です。聖書はこの人間の罪が、神と人間との関係においても、また人間と人間との関係においても、隔ての壁になっていると指摘します。この罪という隔ての壁が、わたしたちから交わりを奪っている、絆を奪っている、と言います。

イエス・キリストが来られたのは、この罪の問題を解決し、わたしたちに交わりを与えてくださるためです。イエス・キリストは神の愛によって、わたしたちを愛してくださいました。イエス・キリストは当時のユダヤ社会の中で虐げられ、差別され、それこそ社会との絆を失っていた人々を愛してくださいました。彼らを愛し、関わってくださいました。暗闇の地に住む人々に愛の光を当ててくださいました。それによって、神と人間の間の、人間と人間との間の隔ての壁が壊され、交わりが回復されたのです。イエス・キリストこそ、わたしたちの交わりの土台です。イエス・キリストの愛こそが、失われた交わりを回復してくれる真実の絆です。

教会はこのキリストを世の人々に、そして何よりもあなたに伝えているのです。それは、あなたもこのキリストの愛によって、わたしたちとの交じわりを持つようになるためです。わたしたちの交わりはイエス・キリストの愛による交わりです。キリストの愛を共に分かち合う交わりです。この愛によって、互いに愛し合い、助け合い、支え合う交わりです。

「無縁社会」と呼ばれる社会の現実がどんなに強くても、どんなにその闇が暗くても、キリストの愛はその闇の力を倒し、わたしたちの中に、そしてこの世界の中に真の交わりを与えてくださいます。ここにわたしたちの人生の希望が、世界の希望があります。

どうか、今この放送を聞いておられるあなた、あなたもキリストの愛を受けとめてください。キリストの愛によって、共に愛し合う、分かち合う交わりの人生を共に歩みましょう。

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