神は世を愛されている

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聖書の言葉

神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。神が御子を世に遣わされたのは、世を裁くためではなく、御子によって世が救われるためである。

新約聖書 ヨハネによる福音書 3章16~17節

山中恵一によるメッセージ

今日、3月11日は、昨年の東日本大震災によって忘れられない日となりました。

あの日、多くの人が問いを持ちました。「何でこんなことが起こるのか?」

テレビや新聞で、多くの専門家たちが、科学的な見地からあの日の出来事を説明しました。科学の説明からすれば、あの日の出来事は「地殻の変動」によって引き起こされた自然現象。それだけです。しかし、悲しみを負った多くの人にとって、地球のメカニズムを知るだけでは、納得のできない思いがあるのだと思うのです。クリスチャンはこの世界に神様がかかわっておられることを信じます。ですから、世界の動きに意味を求めます。しかし、あの日、信仰を持っておられない多くの方も、客観的な説明以上の意味をあの日の悲惨な出来事の中に求めたのではないでしょうか?

「何でこんなことが起こるのか?この悲惨な出来事にいったいどんな意味があるというのか?人が苦しむことに一体どんな意味があるというのか」

私は、地震の10日後から仙台の友人の元に向かい、それから3カ月間、震災を生きる人たちと過ごす時間を与えられました。津波にのみ込まれた鼠色の町、見渡す限りグレー一緒に塗り替えられ、色を失った町を目にしながら、その中で生きる人たちと時間を共にしてきました。「何でこんなことが、この町に、この人の上に起きたのか」一言で言うなら、わかりません。そして、その意味というものは、外から来た人間が安易に口にしてはいけない言葉である、と思います。

「なぜかは、わからない。しかし、今まで自分が生きてきたのはこういう世界だったのだ」あの日、そのことだけは強く感じました。友達の住む場所を襲った地震。多くの方が亡くなられました。災害は、人柄の善し悪しや、能力の優劣、信仰のあるなしで、被災者を選ぶようなことはありませんでした。死なずに生きているということは、当たり前のことではないのだ、とつくづく思います。

世界の災害は、天災であれ人災であれ、ニュースで何度も目にしてきました。自然の脅威。戦争の愚かさと悲惨さ。社会に映し出される人の醜さ。しかし、テレビやインターネット越しに見てきた悲惨な世界は、自分と関係のない場所の出来事ではなく、まさに自分を包み込む世界そのものです。なぜだかわからないような悲しく惨めな世界。情報としては知っていても、世界とはそういうものだ、と受け止めることは何と難しいことかと思います。これは、大きな災害に限ったことではないでしょう。自分を取り囲んでいる日常が苦しみや悲しみに包まれている毎日だとしたら、そのような日々を受け入れるということは、本当に困難ことです。目に映る世界の悲しさと惨めさ。事実だけを見つめるなら、寒々しい世界です。科学の力でどれだけその仕組みを説明したとしても、そこで示されるのは、ただ、ありのままの悲惨な世界です。自分の目に映るこの悲惨な世界。自分を包むこの悲惨な日常。私達はこの世界の現実をただ粛々と受け止めることしかできないのでしょうか?

聖書は、しかし、この世界は神様に愛されているのだ、と語ります。「この苦しみの中で、どこに神の愛があるのか!」目に映る世界は、神様から大切にされているとは、言い難いものかもしれません。でも、「そういう世界を私は受け入れて、大切にしたいのだ」神様のほうは、こう言っておられるのです。

もし、世界がただ、悲しいままに過ぎ去っていくのであれば、誰だってこんな世界に長居はしたくありません。そんな世界なら、楽しいことでもって、悲しみを忘れながら毎日を過ごし、世界に残り続けることが賢明な生き方なのかもしれません。しかし、悲嘆にくれるのであれ、楽しさに逃避するのであれ、悲しい世界は確かにそこにあるのです。

神様は、「そういう世界だからこそ、救われる必要がある。そんな世界だからこそ、そこからあなたを助けたいのだ。」こう言われるのです。「この世界で絶望することがないように、この世界が神である私から愛されていることを教えよう。わたしの愛する独り子に、すべてを託して、あなたたちのもとに遣わそう。この子の語ることを信じて受け入れるのなら、あなたはこの悲惨な世界の中で、この世界を救おうとしているわたしの愛を知るだろう。」悲しみに潰されるのでもなく、悲しみを無視するのでもなく、悲しみの中で希望を見つめることができることを神様は伝えたいのです。

こう言われる神様の言葉に、ぜひ耳を傾けて頂きたいと願います。そして「それが、本当なら、その愛をわからせください!」とその思いを投げかけて頂きたいと願います。受け入れがたい悲惨な世界の中で、あなたを取り巻く悲しい景色が、神様からの愛を感じることのできる景色へと変わりますように。

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