人間をとる漁師になる

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聖書の言葉

話し終わった時、シモンに「沖に漕ぎ出して網を降ろし、漁をしなさい」と言われた。シモンは「先生、私たちは、夜通し苦労しましたが、何も取れませんでした。しかし、お言葉ですから網を降ろしてみましょう」と答えた。

新約聖書 ルカによる福音書 5章4~5節

金度亨によるメッセージ

世界で、一番魚を食べる国が日本であると聞いたことがあります。事実でしょうか?私が日本に来て驚いたのは、サバもさしみとして食べることでした。韓国でさばを刺身で食べるのを見たこともありません。

特に川の魚は好きではありませんが、2年前に、初めてガリラヤ湖で、ペテロの魚と呼ばれる魚を食べました。今日の本文に出てくる魚ですね。聖書で出てくる魚ですから美味しいだろうと期待していましたが、特に美味しいとは思いませんでした。

今日の本文を見ますと、イエス様は多くの人々に、ガリラヤ湖で福音を伝えています。そこにイエス様の弟子となるペテロも登場しますが、ぜんぜん御言葉に興味を持っていません。ただ彼は魚を取ることに、力と時間を費やしています。実は、この世に生きている人々はとても忙しくて、イエス様の御言葉に耳を傾けようとする人が少ないのです。

けれども自分が持っている仕事を一生懸命することはとても美しい姿です。東北地方で、津波を経験された漁師たちが、苦しみの中でも最善を尽くして、魚を取りに海に出ることを見た時に涙が出ました。本当に感動でした。

さて、御言葉に関心がないペテロが、イエス様の御言葉を聞かなければならないことが起こります。普通でしたらペテロは夜中まで魚を取って、日が昇る時には市場に行って、魚を売っているはずでしたが、しかし、不思議に、魚は一匹も取れませんでした。時にはとても自信がある仕事に対して一生懸命頑張っても思いどおりにならない時もありますね。しかし、この悲しい時こそ、祝福の時でもありました。イエス様がペテロのところに来られたのであります。

イエス様はペテロと共にペテロの船にのって、船から多くの人々に御言葉を伝えます。ペテロは、ただイエス様の話が終わるまで、じっくり聞かなければなりません。 ペテロの所にイエス様が自ら来られたように、イエス様が関心を持っておられる人には、必ず、人生のいずれかの時期に、イエス様の御言葉に真剣に耳を傾く時が訪れると私は信じます。

さて、イエス様の話しが終わると、イエス様はペテロに「深いところに行って網をおろすように」と言われます。しかし、この話にペテロは怒るはずですね。何故かというと、まず、ガリラヤ湖は朝には魚が取れないことを経験が豊富なペテロは良く知っていました。私は2年前に、ガリラヤ湖に行った時に説明を受けましたが、今も深いところでは魚が取れないと聞きました。ヘルモン山の雪が解けて、水に変わり、その水がガリラヤ湖に入ります。その冷たい水と、ガリラヤ湖の暖かい水が交差する深くないところに魚が良く取れると言われました。今も、イエス様の話を思い出して、深いところに網を下ろそうとする人がいますが、殆ど失敗に終わると言われました。

しかし、今まで御言葉を聞いていたペテロは、「お言葉ですから網を下ろします」と自分の判断を捨て、御言葉に従います。すると、奇跡が起こりました。網が破れるほど魚が沢山とれたのであります。

時には自分が一番偉いと思う時がありますね。それで、私に本当に必要な忠告をしてくれる友たちが嫌になる時もあります。アドバイスも聞きたくない時もあります。そのアドバイスを受けることで時にはそれによって良くなる時もありましたし、時には悪くなる場合もありました。しかし、人の知恵を遥かに超えるイエス様の御言葉、すなわち聖書に耳を傾けることこそ、私たちの人生の真の道の誤りのない案内者となります。

イエス様が高いところから見て、深いところに魚がいることが見えたでしょうか?違います。イエス様が、その所に魚を集めて下さいました。すなわち、イエス様は自然界の全ての万物をも収めている神様です。本文の著者でもあるルカはこれ

を証言しているのであります。今もイエス様はご自身の御言葉を聞かせるために人々を探しています。もしかしたら、それは、この放送を聞いておられる皆様かもしれません。ペテロは短いイエス様の御言葉を聞いた後、イエス様の御言葉に従った結果、人生の中で驚くべき奇跡を体験しました。

韓国に来た宣教師として、トーマス宣教師がいます。20代の青年でしたが、博士でもあり、言語の能力でも天才と呼ばれていました。彼は当時朝鮮宣教のために来ましたが、乗っていた船で逮捕され海辺で、首が跳ねられ殉教しました。彼は死ぬ直前に聖書一冊を持っていました。彼を殺した人がトマス宣教師の聖書を持って帰り、トイレットペーパーとして、そして風を防ぐために、ドアに何枚も張っていました。時々、その聖書を読んでいた彼は、聖霊によってイエス様を信じるようになり長老になって、朝鮮宣教の歴史に重要な人になります。人はイエス様の御言葉に接すると変わります。

さて、その後イエス様はペテロに、人間を取る漁師になると宣言します。すなわち、イエス様の御言葉を伝える弟子として任命しました。当時身分の低い人と思われたのですが、人間の基準とは違ってイエス様の基準では素晴らしい人でありました。今イエス様は今もご自身の目で、尊い存在を探しておられますし、この放送を聞いておられる皆様がイエス様の御言葉に耳を傾ける時、きっとイエス様にとって皆様が特別な存在であることを体験すると私は信じます。

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