罪深い女性の赦し

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聖書の言葉

だから、言っておく。この人が多くの罪を赦されたことは、わたしに示した愛の大きさで分かる。赦されることの少ない者は、愛することも少ない。」そして、イエスは女に、「あなたの罪は赦された」と言われた。同席の人たちは、「罪まで赦すこの人は、いったい何者だろう」と考え始めた。イエスは女に、「あなたの信仰があなたを救った。安心して行きなさい」と言われた。

新約聖書 ルカによる福音書 7章47~50節

袴田清子によるメッセージ

今日は、ルカによる福音書の罪深い女性をイエス様が赦された箇所から、お話をしたいと思います。

ある町にファリサイ派のシモンという人がいました。シモンはイエス様に一緒に食事をして欲しいと願い、イエス様はその申し出を受け入れられました。シモンの家で食事をなさっていると、なんとその町で「罪深い女」と言われている女性が入って来ました。彼女は、イエス様に後ろからそっと近づき、イエス様の足を自分の涙でぬらし始め、といた自分の髪の毛で拭いはじめました。さらに、イエス様の足に接吻をし、持って来た立派な石膏の壷に入っている高価な香油を惜しみなくイエス様の足に塗ったのです。

この女性はおそらく遊女であっただろうと思われます。そのような罪深い女性は、宗教的なユダヤの人々から、近寄りたくない、汚らわしい女性と見られていました。

しかし、イエス様はこの女性が、御自身に成している行為を、黙って受け留めておられます。罪深い女性が為すままに、御自分の足を涙で洗わせ、髪の毛で拭わせ、足に成された接吻を受けられ、香油を塗らせられました。

この女性はおそらく、自分の罪がいかに深いかを知っていたでしょう。また、罪に罪を重ねた人生から来る、涙でしか表せない思いを持っていたでしょう。そしてイエス様のご人格から、それらの罪を赦して下さり、自分を受け留めて下さる何かを感じ取っていたのでしょう。イエス様はこの女性が神の御前に持っている、罪深い者としての恥じと懺悔を、そして自分の人生に対する悔いを受け留めておられます。その自分を受け留めて下さるイエス様に対する感謝と愛の入り混じった気持ちから流れ出る涙、そしてイエス様に頼り、寄りすがる思いを黙って受け留めておられます。

しかし、家の主人であるシモンは、この女性を見下して思っていました。「この人が預言者なら、自分に触れているこの女が誰で、罪深い女であると分かるはずなのに。」

しかし、イエス様はそのように心の中で考えていたシモンの思いを見抜いて、次のような話をされました。「ある金貸しから、二人の人がお金を借りていました。1人は500デナリオンで、もう1人は50デナリオン。二人とも返すお金が無かったので、金貸しは二人とも、その借金を帳消しにしてやりました。」そして、イエス様はシモンに尋ねられました。「どちらがより金貸しを愛すると思いますか。」シモンは、「恐らく赦してもらった額の多い方でしょうか。」と答えました。戒めを厳格に守ることを何よりも大切にしていたファリサイ派のシモンにとっては、この罪深い歩みをして来た女性が、どのような思いで暮らしているかなど到底想像できなかったのです。むしろ自分が汚れないことを第一に考えていたに違いありません。

しかし、イエス様は違います。イエス様は知っておられるのです。この女性が罪を犯したが故に、常に人々から後ろ指を刺されていたことを。人前では梁のむしろに座っているかのような痛みを覚えたことを。神の前にはこのような自分は滅びるだけだと思い、一人の時は罪責感に捕らわれ、自責の念にさいなまれ、真っ暗闇と思える人生に耐え難い苦しみを感じていたことを、イエス様はご存知だったのです。この女性は罪を犯してから恐らく誰とも善い人間関係を持つことはなく、非常に孤独であったでしょう。しかし、イエス様と出会った時、彼女はこの世ならぬものを感じたに違いありません。そしてこのような、誰からも見出されず、誰からも相手にされない者こそ、真の救い主による罪の赦しの福音、イエス様がもたらしてくださる罪の赦しと新しい命、新しい人生が必要なのです。

イエス様はこの女性を見ながら、シモンに、言われました。「あなたは足を洗う水もくれなかったが、この人は涙で足をぬらし髪の毛で拭ってくれた。あなたは私に挨拶の接吻もしてくれなかったが、この人は私が入って来てから、私の足に接吻をしてやまなかった。あなたは頭に安価なオリーブ油さえ塗ってくれなかったが、この人は足に高価な香油を塗ってくれた。この人が多くの罪を赦されたことは、私に示した愛の大きさで分かる。赦されることの少ない者は、愛することも少ない。」

イエス様は、この女性の苦悩と罪責を受け留め、この女性の多くの罪が赦されていることをシモンに言い渡されているのです。

そして、イエス様は、今度はこの女性に向って言われました。「あなたの罪は赦された。」この言葉はまさしく、救い主イエス様からこの女性に、直接に語られている言葉です。そして「私こそが、あなたの罪を赦す救い主である。」とイエス様は言っておられるのです。

この女性はやがてイエス様が十字架に掛かられ、自分の罪を全て背負って死なれる方であること、そして甦られるお方であることは知らなかったでしょう。しかし今、彼女は罪人のために自らをささげられた神の御子イエス様から、直接赦しの宣言を受けているのです。

そんな中、周りにいた客人たちは「罪まで赦すこの人は、いったい何者だろうか」と考え始めていました。しかしイエス様は、面と向って女性に「あなたの信仰があなたを救った。安心して行きなさい」と語られました。「あなたは救われた。だから、私の権威による赦しを受けて、安心して、歩みなさい。」と、皆の前で宣言して下さっているのです。イエス様は、深い罪のあるところに、神の深い赦しと癒しを注いでくださっているのです。

私たちも罪人のままの姿で、神の御子イエス様に近づけば良いのです。「あなたの罪は赦された」と語ってくださるイエス様に、私たちも真心を持って近づこうではありませんか。主はこの女性を受け留めてくださったように、必ずあなたをも、貴方の人生をも受けとめて、罪を赦し癒し、御自身の新しい命による歩みへと導いてくださいます。

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