背負って下さる主

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聖書の言葉

わたしに聞け、ヤコブの家よ

イスラエルの家の残りの者よ、共に。

あなたたちは生まれた時から負われ

胎を出た時から担われてきた。

同じように、わたしはあなたたちの老いる日まで

白髪になるまで、背負って行こう。

わたしはあなたたちを造った。

わたしが担い、背負い、救い出す。

旧約聖書 イザヤ書 46章3~4節

吉田謙によるメッセージ

今日は「足跡」という詩をご紹介いたします。こういう詩です。

「ある夜、わたしは夢を見た。

わたしは、主と共に、なぎさを歩いていた。

暗い夜空に、これまでの私の人生が映し出された。

どの光景にも、砂の上に二人分の足跡が残されていた。

一つは私の足跡、もう一つは主の足跡であった。

これまでの人生の最後の光景が映し出された時、

わたしは、砂の上の足跡に目を留めた。

そこには一つの足跡しかなかった。

わたしが人生で一番つらく、悲しい時だった。

このことがいつもわたしの心を乱していたので、

私はその悩みについて主にお尋ねした。

『主よ。わたしがあなたに従うと決心した時、

あなたは、全ての道で、わたしと共に歩み、

わたしと語り合って下さると約束されました。

それなのに、わたしの人生の一番つらい時、

一人分の足跡しかなかったのは何故ですか。

一番あなたを必要としていた時に、

あなたが、何故、わたしを捨てられたのか、

わたしには分かりません。』

主はささやかれた。

『わたしの大切な子よ。

わたしは、あなたを愛している。

あなたを決して捨てたりはしない。

ましてや、苦しみや試みの時に、

足跡が一つだったのは、

わたしがあなたを背負っていたからだ。』」

この「あしあと」という詩は、人生に疲れ、重荷に押しつぶされそうになっている多くのクリスチャンたちを励まし続けてきた有名な詩です。この詩が知られるようになった頃、誰が書いたのか、詳しいことは何も分っていませんでした。しかし最近になって、カナダのクリスチャン女性が、この詩の作者であるということが分かりました。そして、この詩の背景にある感動的な物語が日本にも伝わってきたのです。

簡単に紹介しますと、こういう物語です。この詩の作者は、マーガレット・パワーズという女性で、ご主人のポールさんにプロポーズされた日に、この詩は生まれたそうです。プロポーズされたマーガレットさんは、本当に嬉しかったと思います。しかし、同時に、大きな不安もあった、と言います。

ポールさんはキリスト教の伝道者、マーガレットさんは学校の先生でした。二人は共にクリスチャンで、将来の不安など何もないかのように周りからは見えました。ところが、二人の心の奥底には、ある不安があったのです。それは、二人の育ってきた環境があまりにも違う、ということでした。

マーガレットさんは、本当に幸せな家庭で育った人でした。一方、ポールさんは、父親の激しい虐待を受けて育ちました。父親から暴力を受け、体のあちこちを骨折し、歯も何本も折れた、と言います。父親は暴力を振るい、仕事もしない。5歳の子どもに万引きを教える。そういう家庭で育った子どもがどうなってしまうのか、ある程度は予想がつくと思います。

彼は12歳の時、盗みに入った先で婦人を射殺。その後、彼は少年院を転々としたそうです。けれども、出所後、老齢のクリスチャン夫婦宅でお世話になったことがキッカケになり、彼は心から悔い改めて、クリスチャンになる決心をしました。イエス・キリストが自分の罪のために十字架にかかって死んでくださった。そのことを知った時に、彼は母親が死んだ7歳の朝以来、初めて涙を流したと言います。

そういう二人が、プロポーズのあと、湖のほとりを歩きながら、将来のことを真剣に語り合っていたのです。そろそろ戻ろうと思い、砂浜を折り返そうとした時に、彼らは二人の足跡が波に掻き消され、一人分しか残っていないことに気づきました。それを見てマーガレットさんは、「これは神様が二人を祝福してくれない暗示ではないか」と不安に思った、と言うのです。

けれども、ポールさんは言いました。「いや、そうじゃない。二人は一つになって人生を歩んでいけるんだ」と。けれども、マーガレットさんはまだ不安でした。そして「二人で処理できないような困難がやってきたら、どうなるの」と聞きました。その時にポールさんは、すかさずこう答えた、言います。「その時こそ、主が私たち二人を背負い、抱いて下さる時だ。主に対する信仰と信頼を持ち続ける限りはね」。

詩を書くのが大好きだったマーガレットさんは、その夜、明け方近くまでかかって、なぎさでの出来事を詩に書きとめました。その後、人前で聖書を語ることの多いポールさんは、機会あるごとに、この「あしあと」という詩を紹介したそうです。そして、そのことがきっかけとなり、やがてこの詩が世界中に広がっていったのです。

この話には続きがあります。25年後に、彼らはまた大きな試練に出会いました。今度は、娘さんを含めた家族三人が大きな事故に巻き込まれて、瀕死の重傷を負ってしまったのです。

その不安のただ中にある時に、あるクリスチャンの看護師が病室を訪ねてくれて、回復を祈ってくれました。そして、その看護師は「作者は分からないけれど、とってもいい詩なので、この詩を読んで元気を出して!」と言って、ある詩を贈ってくれたそうです。

その詩こそ、なんと25年前に自分が作った、あの「あしあと」という詩でした。マーガレットさんは、その詩を読んで、また25年前の信仰の原点に立ち返り、本当に慰められたと言います。神様は本当に不思議なことをなさいますね。

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