神様は目的を持つ

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聖書の言葉

神を愛する者たち、つまり、御計画に従って召された者たちには、万事が益となるように共に働くということを、わたしたちは知っています。

新約聖書 ローマの信徒への手紙 8章28節

宮﨑契一によるメッセージ

2015年のことですけれども、クリスチャン新聞福音版というキリスト教の新聞を見ていました。するとそこに、テニスの錦織圭選手のコーチをされているマイケル・チャンさんについての記事がありました。最近チャンさんはご自分の自伝を出版されたのですが、それについての記事がそこにあったのです。

マイケル・チャンさんは1989年、17歳という最年少で、全仏オープンというメジャー大会で優勝しました。世界ランキングが最高で二位になった、名選手です。このようなチャンさんの活躍の背景には、目先の勝利にとらわれないで、人生そのものの勝利を確信する信仰があった、記事にはそのように書かれていました。

チャンさんがイエス・キリストを信じたのは、16歳の時です。全仏オープンで優勝をする数か月前でした。既に15歳でプロに転向して、チャンさんは将来を約束された有望なテニス選手でした。けれども、ひとたびコートから離れると、彼は一人の苦悩する少年だった、というのです。

「自分は誰なのか。自分はどこにいくのか。」チャンさんが悩んだのは、こういう自分自身の内面でした。チャンさんは元々、敬虔なクリスチャンの家族に生まれました。けれども、十代になると教会への姿勢は消極的になった、と言われます。日曜日の朝は教会に行かないで、わざと寝坊をしていました。その中である日チャンさんは、久しぶりに祖父母のいる教会を訪ねた時に、その礼拝で語られた「神はすべてのことに理由をもつ」という言葉が心に刺さった、こういう経験をすることになります。

神はすべてのことに理由をもつ。人生の様々な出来事は決して偶然に起こるのではない。そこにも神があると信じた時に、自分の人生を初めて理解できるようになる、チャンさんはこのように語るのです。

家に戻ったチャンさんは、それまで本棚に置きっぱなしになっていた聖書を開いて、むさぼるように読み始めます。まずは思春期の少年が関心を持つ、人間関係や恋愛などについて聖書から探して読みました。そして、すべてそこに答えが書かれていることに驚いた、チャンさんはこう言っています。続いてチャンさんは、イエス・キリストの生涯について聖書を読み通します。そして、「私のいのちのために、十字架で死んだキリストの愛はなんと大きいのだろうか。何が起きてもキリストは、私を捨てない。」このことを確信するのです。

「私の心に来てください、私をあなたの目的のために変えてください」このようにチャンさんはイエス・キリストに祈ります。そして、チャンさんはこう決心します。「私はそのとき、イエスに従い、イエスのことを知る生き方をしようと決断したのです。」これがチャンさんがキリストを信じた時の思いです。数か月後、全仏オープンの表彰式の場でチャンさんはこのように語りました。「主イエス・キリストに感謝します。イエスなしでは、私は何者でもありません。」チャンさんはこのように語ったのです。

チャンさんは、自分自身の信仰についてこう言います。「クリスチャンになったことで、テニスのプレーに何か影響を与えたかどうかは分からない。だが人としてどう振る舞うかについては変わったと断言できる。傷ついた人への憐れみの心、善悪の判断、優しい振る舞いについて考えるようになりました。」

またさらにこう言われています。「私にとって、キリスト教の本当の意味は、イエス・キリストとの個人的な関係を持つことだ。神を知ること以上の喜びはない。あなたにも同じ喜びを味わってほしい。神の忍耐と愛を分かち合いたい。この愛は、あなたに変化を起こさせる。あなたの深い傷をいやす」このように聖書の神を知ることの喜びが語られていました。

チャンさんは繰り返し「神さまは目的を持つ」こう言います。そして、自分が試合に敗れた時のこともこのように振り返ります。「もちろん悔しかった。だが大事なことは、神さまはすべてのことに目的を持っているということだ。人は『ああなれば良かった、こうなれば良かった』と思いがちだが、そうではない。ここに至るまでも様々な祝福を受けてきた。今もなお素晴らしいことが起こる。かつては勝ち負けに強くこだわっていたが、信仰を持つことで考え方が変わってきました。」このように語られるのです。

チャンさんの最も好きな聖書の個所が、最初にお読みした聖書の個所です。「神を愛する者たち、つまり、御計画に従って召された者たちには、万事が益となるように共に働くということを、わたしたちは知っています。」

チャンさんは、神に召され、神に導かれて神を愛する者となりました。聖書の神は、すべての人の人生に目的をもっておられます。神と関係が無いと思って今生きている人についても、そうです。神は、あなたの人生に対しても、目的を持っておられます。神を愛する者、そのように神に呼び掛けられ招かれた者は、万事が益となる。たとえ、自分にとって苦しいこと、悩ましいこと、逃げたいと思うようなこと、私たちにはそういうことがあるのですけれども、それがあっても、神はそれら全てを益としてくださる、そのような御計画を持っておられるというのです。神様は、イエス・キリストを信じる者にそのような御計画、目的を持っておられます。それは、あなたの生き方を新しくするものです。

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