神様からのクリスマスプレゼント

クリスマスおめでとうございます。

今週は、世界中の教会でイエス・キリストの誕生をお祝いするクリスマス礼拝が行われます。また、多くの場所で、クリスマスの様々な催しが開催されると思います。ご家族でクリスマスをお過ごしになる方もおられるでしょう。この放送をお聴きの皆さんは、どんなクリスマスをお過ごしになられますか。

わたしが小さい時、クリスマスの一番の楽しみと言えば、クリスマスケーキ、それから何と言ってもクリスマスプレゼントでした。今年はどんなプレゼントがもらえるのか。１１月の終わり頃になりますと、いつもそのことが気になっていました。

わたしは両親がクリスチャンであったため、小さい時から教会に通っていましたが、教会の日曜学校でもクリスマスプレゼントがありました。ですから、クリスマスと言うと、“クリスマスプレゼント”、子供の頃はそんなクリスマスであったように思います。

しかし、よく考えてみますと、どうしてクリスマスにクリスマスプレゼントがあるのでしょうか？皆さん、お考えになったことがありますか。なんとなくクリスマスにはプレゼントがつきものだ、そのように思っているのではないでしょうか。特に、日本人の感覚からすると、お正月にお年玉をもらったり、贈ったりするのと同じような感覚で、クリスマスプレゼントをもらったり、贈ったりしているのかもしれません。

けれども、クリスマスにクリスマスプレゼントがあるのは、決してなんとなくあるのでも、たまたまあるのでもありません。そこにはとても大切な理由があります。それは、イエス・キリストの誕生というクリスマスの出来事自体が、実は神様からの素晴らしいプレゼントであるからなのです。

聖書を見ると、キリストがお生まれになった時、荒れ野で夜通し羊の群れの番をしていた羊飼いたちの前に天使が現れたとあります。その時天使は、羊飼いたちに、「わたしは民全体に与えられる大きな喜びを告げる」と言いました。また、「今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった」と言いました。

つまり、イエス・キリストの誕生は、わたしたちに喜びを与え、救いを与えるための、神様からのクリスマスプレゼントだったのです。神様はこの時、この世の華やかな場所、明るい場所から、遠く離れた、真っ暗な場所で働いていた羊飼いたちに、まずこの素晴らしいプレゼントをお与えになったのです。

この世界には様々な罪や悲惨な現実があります。戦争や暴力、飢餓や貧困、差別や迫害、様々な犯罪があります。わたしたち人間の罪が、そのような暗闇の現実を生み出しています。わたしたち自身も罪によって、人を傷つけ、また自分自身をも傷つけています。そのような現実の中で、わたしたちは苦しみながら、また、将来への不安を抱えながら毎日を生きているのではないでしょうか。

神様というお方は、わたしたち人間がそのような罪の現実の中で苦しんでいることをご存知です。人間の罪によって、この世界が歪み、そこに様々な苦しみや悲しみがあることをご存知です。もし人間がこのまま罪を重ねて行くならば、この世界全体が滅んでしまうこともご存知です。だからこそ、神様はわたしたち人間を愛し、この世界を愛し、罪による滅びから、わたしたちを救い出すために、救い主イエス・キリストを贈ってくださったのです。

神様は、今この放送を聴いておられるあなたのことを愛してくださっています。愛してくださっているからこそ、イエス・キリストを贈ってくださったのです。プレゼントしてくださったのです。

自分のために自分でお金を出して買ったものは“プレゼント”とは言いません。プレゼントとは、無償で相手からいただく物です。神様は救い主イエス・キリストを無償であなたにプレゼントしてくださっているのです。

わたしたちは誰も神様を満足させるような善い行いをすることはできません。ですから、本来わたしたち罪人は誰も救い主イエス・キリストの恵みにあずかる資格などありません。神様に罪を犯した人間は、そもそも神様からプレゼントをいただく権利などないのです。それにも関わらず、神様はわたしたちを愛してくださり、無償でイエス・キリストをプレゼントしてくださいました。それがクリスマスです。クリスマスは、神様からのプレゼントとして、イエス・キリストが与えられたこと、お生まれになったことを、心から感謝し、喜ぶ時です。

自分にはクリスマスプレゼントを贈ってくれるような人は誰もいない。そのように思っている方もおられるかもしれません。しかし、この世のどんなクリスマスプレゼントにもまさる最高のプレゼントを、神様はあなたに与えてくださいます。クリスマスをお祝いするこの時、どうか、この神様からのクリスマスプレゼント、イエス・キリストをしっかりと受け取ってください。